赤沢自然休養林 カメラ片手の山歩き
赤沢自然休養林で森林浴
2009年9月5日
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赤沢自然休養林のヒノキの森
カップルのジンバイソウとミヤマウズラ
8月5日(土) 2009上松
赤沢自然休養林
材木問屋を営む会合仲間がリーフレットを作り直したいという。建築構造材は安価な外国集成材が主力だが、最近になって国産材が肩を並べるようになってきた。将来的には環境問題上、逆転現象は間違いない。
集成材の耐用年数、森林破壊、輸送CO2を考慮すると、国産材の優位性がコストをクリアできれば必ず復活する。ヒノキはご存知の通り、年を経るごとに強化する200年建築材である。しかも含有するフィトンチッドは抗菌効果があり、セラピー効果があることでも知られている。
日本では間違った森林破壊の観念を持つ人が未だに多い。外材の輸入で国産材が売れないため、林業が衰退した。放置された森の木が過密になり過ぎて山自体が病んでいる。恵みの太陽が大地に届かないため、他の植物が育たない。人工林が過密なために根を張る事ができず、地滑り、土砂崩れなどの災害が起きている。低木類も育たないので、降る雨の保水効果も落ちる(緑のダム効果)。日本の森林は、間伐しなければ死んでしまう。
何はともあれ、国産材の活用を推進するために、森の写真を撮ることにした。手始めが日本三大美林のひとつ、木曽ヒノキ(秋田スギ・青森ヒバ)。木曽川上流域に木曽ヒノキの集積地、上松がある。赤沢自然休養林は、ここから入る。車で約20分。
何回も訪れているが、森の写真は撮っていなかった。朝の森はガスに覆われて幻想的な雰囲気を醸し出している。入口の駐車場に車を入れ、山靴に履き替え、トイレに行っているうちにガスは消え、青空と太陽が。曇りを期待しているときに限って晴天になる。
しっとりとした深い森の情景は無理になった。妻とふたり、森林浴を楽しむことにして、駒鳥の道から最奥の冷沢を周回した。朝一番だったので、たどる往路で人影を見ることはなかった。ヒノキの天然林の中にいると、まったく雑事を思うことなく、自然に覆い尽くされている自分がある。無であるがごとき森への集中。森林セラピーには梢を渡る風と沢のせせらぎの音がやさしい。
カメラ片手の山歩き