上高地・涸沢 カメラ片手の山歩き

上高地から涸沢へ

2011年9月8〜11日

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サラシナショウマの森・朝の梓川・明神池


屏風岩と明神岳


上高地(河童橋と穂高連峰)・西穂高岳・焼岳・六百山


梓川源流の水の色


岩魚(いわな)の塩焼き


靴底が剥がれて応急処置


●2011年8月8〜11日
08日 上高地→徳沢園
09日 徳沢→涸沢→明神池
10日 明神→大正池→白骨温泉
11日 名古屋へ

屈指の観光名所であり、憧れの北アルプス登山基地である上高地は、シーズンとなる5月から冬の閉山まで常に混雑している。ましてや週末ともなると山小屋も溢れ返るので、夏と秋のシーズン端境期の平日を選んで入山することにした。メンバーは3人である。

8日は名古屋からJR特急信濃で松本へ。新島々経由で上高地に入ったのが午後2時前。バスセンターから梓川沿いの道を辿って河童橋を渡り、更に岳沢の木道を渡って梓川右岸を明神池に向かった。嘉門次小屋で時間調整のビールで乾杯。早くも岩魚塩焼きのオーダーが飛び出した。

個室を予約しておいた徳沢園に5時着。風呂で汗を洗い流してさっぱりしてから、持ち込んだトルコ産白ワインで新たに乾杯。ボトルを飲み干してから、徳沢園名物の食卓に着く。コースのメインは岩魚の塩焼き、松茸の茶碗蒸し、自家栽培の新鮮野菜に信州牛ステーキ。ビールもお酒も当然のように進んだ。9時消灯の時間があっと言う間だった。

9日。昨日の荒天がウソのように雨。4時起床、5時出発。雨具で完全武装してから横尾に向かい軽い朝食を取る。橋を渡って梓川と別れ、屏風岩と横尾尾根に挟まれた沢を詰める。左岸沿いの道が高巻きになり、流れの音が騒がしくなると本谷橋に出る。本降りの中で小休止。

ここからホンモノの登山が始まる。ルートの勾配が徐々にきつくなる。運動不足の身には堪える。外気は10℃以下でも体内は汗が滝の状態。雨具の意味が理解できない。回りの樹木が低くなり、赤い実を着けるナナカマドが登山道を包むと涸沢エリアに入る。涸沢ヒュッテを左に見ながら更に登る。

目の前に見える涸沢小屋は近くて遠い。歳には勝てないが執念で歩を刻む。前の2人が突然止まる。N嬢の靴底が剥がれた。先端の三分の一ほど口を開けている。とりあえず、涸沢小屋に。

着て乾かす状態にない衣類を脱ぎ替え、早めの昼食はまだ10時前。ドテ煮、おでん、トン汁、ビールを囲んで作戦会議が始まった。北穂小屋を目指すか撤退するか。雨は止む気配にない。高山の雨風は体温を冷やす。満員の北穂小屋ではズブ濡れの身に悪い。割れた靴底では岩場のリスクが高いことで撤退を決断した。山は逃げない。また来ればいい。

E氏の穴場情報を頼りに、明神にある「山のひだや」が予約できた。下り掛けて間もなく応急修理の靴に巻きつけた針金が外れた。涸沢ヒュッテに寄って補修材を仕入れ、接着剤、細ロープ、テープで万全のぐるぐる巻き。結果として名古屋まで持った。見た目は悪いが匠の技は持続させること。

ひたすら下りに下り、横尾、徳沢で休みながら夕方5時に宿に入った。



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