番号 |
050801 |
笑顔に隠された筋金入りのサムライ業
今年で43才になる國井さんは、屈託のない笑顔で話を進める。22才で社会保険労務士の資格を取り、師匠である労働基準監督官、名北基準協会事務長の経歴を持つ西野敏夫先生の下で働き、十年が過ぎた。
そんなある日、師匠は彼に大きなチャンスを与えた。「次長の肩書きを与えるから、私に代わって事務所をやってみなさい」。師匠は公務員キャリア組の長い経験で、顧問先は大手企業を含めて400社を越す。重責ではあったが、持ち前のバイタリティで努力を重ね、信頼に足る業務を着実にこなしていった。
38才の時、突然師匠が病に倒れた。九死に一生を得たが、師匠はこれを機に一線を退き、彼に事業継承することになった。このチャンスにも彼は胸を張り、「私にお任せ下さい」、と言ったことだろう。これは私の憶測だが、間違いない私的性格判断の國井評である。ときは2000年1月1日。劇的な人生ドラマの幕開けとなった。それから5年。事務所ビルを買い受け、職員7名の押しも押されもせぬ中部労務管理センターの所長として、多くの顧問先の信頼を勝ち取っている。
労働基準監督署管内の業務に長ける、頼れる存在
社会保険労務士事務所の業務は、一般的には数字を扱う厚生年金や雇用保険業務、給与計算業務を主業務にする事務所が多い。国家資格業としては女性の進出が多いのも、数字を扱う業務比率が高いからだろう。そんな中で、國井さんの事務所は先代からの業務を継承して差別化を図っている。従前の業務より、よりノウハウを深耕させた労働基準法、労働者災害補償保険法、労働安全衛生法、労働組合法など、直接的な労働基準監督署と顧客企業とのスムーズな橋渡し役に比重を移し、法律的な手続きもバックアップしている。
彼のセミナーで、コンピテンシー評価基準の話を聞いたことがありますが、企業の人材開発にも力を入れているし、成果賃金制度の導入に関しても、企業風土に合った柔軟な考え方を持っている。若くして積み上げたこのキャリアは、彼の人生が真剣勝負であることを物語っており、その魅力に惹かれて、今回の取材に至った。
病める時代に心のケア。産業カウンセラーを目指す。
21世紀は、心の病む人が年毎に急増している。科学の進歩が効率とスピードを優先したため、携わる人までが巻き込まれているように思いますが、彼のビジョンの核に「心のメンテ」という言葉を見出した。将来的には産業カウンセラーの業務分野を掘り下げて、「企業は人なり」の、最も大切にしたい「人」という経営資源の、心身共に健康な人材育成に関わっていく。適性検査CUBICは、採用面接、適材適所のツールだけではなく、心の健康診断として、従業員の心のケアに役立てている。
更に多様化していく職場環境と人との関わりにおいて、彼がどのような手法で心のメンテ術を展開していくか、興味津々である。労使関係は、目に見えないドロドロした、一種マグマのような一触即発の事態もありうる複雑な関係。労使、すなわち労働者と使用者、従業員と経営陣、多勢に無勢、弱者と強者、この両極端、二極の立場を客観的に眺め、人としての権利に積極的に耳を貸し、橋渡し役としての温かい血の通う國井裁定の新境地を見たい思いである。
近い将来、労務士法の改定で社会保険労務士が、裁判外個別紛争の斡旋代理人として直接交渉できるようになる。これは彼の資質にとっては好材料であり、國井株はますます高騰しそうである。そんな彼の夢は10億円企業であり、60才で世襲しない事業継承を図って悠々自適、スローライフの第二の人生に入る。好きな歴史を紐解いて古城を訪ね、強者どもの夢を追ってみたいという。世界一周豪華客船のロマンの旅もしてみたい・・・。
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掲載日 |
2005年08月01日 |
名前 |
國井 祥行 さん |
URLリンク |
http://www.jinjiken.co.jp/ |
プロフィール |
■会社名
・中部労務管理センター
・有限会社 人事労務管理研究所
・労働保険事務組合
・中部労務管理保険組合
■所在地
名古屋市中区大井町2−11
〒460-0015
Tel.052-331-0844
Fax.052-321-1108
E-mail cpc@jinjiken.co.jp
関与先企業:約450社
職員:7名
(社会保険労務士有資格者3名)
■事務所指針
●基本的信念
【人間性】
われわれは、日々の経験の中から
己の感性を磨き、人間性を向上し
続けます。
【遵守性】
われわれは、サービス業であると
の認識をもちながら「不正を頼む
客はいらない」という姿勢を維持
します。
【客観性】
われわれは、経営者の視点と従業
員の視点をあわせもち、お客様の
判断材料となる客観的な見解と情
報を提供し続けます。
【専門性】
われわれは、ヒトにまつわるサー
ビス業の専門家として、お客様の
ニーズに応答できるよう、学習を
し続けます。
●行動理念
われわれのモットーは『お客様に
とってなくてはならない存在にな
る』です。われわれはヒトにまつ
わるサービス業の専門家として、
お客様に使命感と真心を持って接
します。お客様の存立と成長のた
め、「何ができるか」を常に考え、
お客様から「頼んでいてよかった」
と実感していただくサービスを提
供していきます。 |