6月下旬
八方尾根
No.003



難度 八方池まではやさしい
歩程
ロマンスリフトを使って八方池を周回するコースは約3時間のやさしいコース。唐松岳は一泊コースが無難です。
場所 白馬村・長野県
アクセス 長野道豊科インター・国道148号北上
駐車場/ゴンドラ山麓駅・黒菱林道


チングルマ・ヨツバシオガマ・ミヤマアズマギク・カラマツソウ・ハクサンチドリ

チャボゼキショウ・テングクワガタ・クモマスミレ・ミヤマナガハシスミレ・ユキワリソウ・ハッポウウスユキソウ


● 野山の花は愛でるもの けっして摘まないで下さい ●


山麓から八方尾根と白馬連山


【八方尾根】初夏の適期 6月下旬〜7月初旬

6月に入ると、尾根の日溜まりに可愛いピンクのユキワリソウが顔を出す。まだまだ沢筋や白馬の山々は雪に覆われている。2006年は、第1土曜日に北尾根でアルプス感謝祭が開かれた。黒菱では500人鍋が振る舞われた。林道沿いにタテヤマリンドウが咲き乱れ、土手のフキノトウやショウジョウバカマ、カタクリが混在する。山麓の和田野の森にはチゴユリ、イカリソウ、スミレが咲き競っているが、八方尾根が天上の楽園になる季節は一ヶ月後になる。

林道が開通し、梅雨の晴れ間を狙って黒菱を訪ねると景色は一変する。アルプはグリーンの牧草におおわれ、ミネカエデやヒロハユキザサが白い花を咲かせている。花の季節は6月下旬から一気にやってくる。黒菱リフト、ロマンスリフトを乗り継いで第1ケルンのある八方池山荘までは苦もなく行けるが、花を愛でるなら、ゆっくり歩くのもいい。
この世界を独り占めすることもできます。麓からゴンドラを利用する人がほとんどなので、9時近くまでは無人状態。麓に泊まって早起きし、明るくなった6時に黒菱まで車で上がれば、3時間近く静かな自然と戯れることができる。八方池山荘に泊まることも一案です。



第2ケルンの夜明け

ここでは、最もやさしい楽々コースを紹介します。ロマンスリフトの終点から、第3ケルン、八方池を周回する3時間コース。ゆっくり5時間みておけば、いろんな高山植物とお話もできます。リフトの終点と八方ケルン手前にトイレがあります。自然保護、植物保護と危険防止のためにロープが張ってあります。柵を越えないようにして下さい。

ルートは全行程きつい登りもなく、天上の散策が楽しめます。八方池山荘とトイレの間を抜けて上がると、右下に第1ケルンが見えます。左に登ると二股になり、右は尾根を忠実にたどる展望コース。左は板道で整備された歩きやすい巻き道で、八方ケルン手前のトイレで合流します。天気がよければ展望コース。左に五竜岳、鹿島槍ヶ岳、右に白馬三山が広がり、開放的な山道にタテヤマリンドウ、ユキワリソウ、カラマツソウなどの高山植物が咲き乱れています。右の唐松沢は崩壊がひどく崩れやすいので気をつけて下さい。岩の露出した笹とハイマツの間をたどると、トイレ小屋の前を抜けて巻き道と合流。平坦な道は、大きな八方ケルン、第2ケルンを通り抜け、やや急な斜面を左に登っていきます。途中のY字路は右に八方池、左に第3ケルン。とりあえず、登りの第3ケルンを目指し、ガレた岩場をたどれば360度のパノラマが開けます。

第3ケルンで充分休憩を取ったら、そのまま先へ下ると縦走路から右へ折れ、八方池へ下ります。小さな池ですが、白馬三山を逆さに映す、八方名物の景色を写真に撮りましょう。2060mの高所にサンショウウオが棲んでいます。これを見つけたら幸運に恵まれるとか。チングルマ、ヨツバシオガマ、ハクサンチドリが群落し、板道を周回して往路に戻り、同じ道を下ります。ハイカーが多いので、登り優先で道を譲って下さい。

この時期、唐松岳はまだまだ雪が多く、ピッケルやアイゼンが必要で、山慣れた人だけの山域です。


この時期に咲くその他の野草一例紹介。

ノビネチドリ・タテヤマリンドウ・アカモノ・イブキジャコウソウ・イワイチョウ

この時期から一ヶ月は目が離せません。7月中旬になると、ミヤマダイモンジソウ、タカネセンブリなどの珍しい高山植物もたくさん咲きます。お馴染みのシラネアオイ、ミヤマアズマギク、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、コマクサも見られます。


参考サイト
八方尾根オフィシャルサイト
僕の記録
 アルプス感謝祭の風景
●2006年6月04日 残雪の八方池と八方池山荘に泊まる
●2005年6月25日 初夏の八方尾根
●2004年7月18日 黒菱から唐松岳ピストン



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