森 |
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第2回 土岐川・庄内川源流「森の健康診断」-2
●期日 2006年10月28日(土)
●集合 09:00 中部大学研修センター(恵那キャンパス)恵那市武並
●主催 土岐川・庄内川源流 森の健康診断実行委員会 |
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水 |
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3. 森のダム効果測定
浸透能測定と土壌採取
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中部大学では、参加学生に正確な測定法を準備段階で教えている。29のチーム全員が同じ測定で精度の高いデータを出せば、貴重な資料になる。関山さんの説明は理路整然、分かりやすい。測定道具は以下の通り。
300ccメスシリンダー、直径10cm塩ビパイプ浸透計、当て木、ハンマー、スコップ、ハサミ、ビニールテープ、ストップウォッチ、土壌採取スチール円筒器2セット、2リッター水×4本。
測定法を簡単に説明すると、塩ビパイプを土中に埋め込んで、そこへ水を注ぎ、その浸透時間を計って分析データとする。目的は「緑のダム効果」と言って、保水力のある土壌であれば雨水を貯めて鉄砲水を予防すると共に、樹木の根を深く張らせる能力もあり、山や森の保全性が高いことになる。広葉樹や下草などの落葉、腐植が堆積した地層であれば、浸透度は当然高い。
調査地は踏み荒らさないこと。ロープで囲った方形枠内の対角線上に調査2地点を決める。浸透計は塩ビ製なので、当て木の上からハンマーで打ち付けて土中に水平に10cm埋め込む。浸透計内側に隙間がないよう、軽く指で土壌を押さえる。
メスシリンダーに300ccの水を入れ、浸透計にゆっくり注ぎ入れる。前処理として、これを二回繰り返す。水泡がぶつぶつ動かなくなるまで、下の右写真のように水が浸み込み終わるまで待ってからストップウオッチを押して1分間測る。これからが本測定で、300ccの水をメスシリンダーを使って素速く静かに注ぎ込み、ストップウオッチを押して浸透時間を計測する。下の写真2枚のように、水が完全に土壌に浸み込むまでの時間を測って記録する。
再度、300ccの水を注ぐ→水が土壌に完全に浸み込む→1分待つ→300ccの水を注ぐ→完全に浸み込むまでの浸透時間を計測。合計3回の測定値を記録する。ほぼ似たような数値に落ち着くはずです。
土壌試料採取の手順。
浸透能測定ポイントの近くで、石や木の根の這っていない場所を選び、表土の枝や邪魔になる小石等を除いてから土壌採取用のスチール円筒を下写真のように、手で鉛直に押し込み、当て木を添えてハンマーで打ち込む。
下写真のように、表土と同一面まで打ち込んだら、蓋をする。
円筒手前をスコップで掘り下げ、片手で円筒を支えながら、その下にスコップを差し込んで円筒をすくい回収する。回収した円筒の反対側も蓋をして、ビニールテープで蓋を固定し、マジックインキペンで「調査地名−上」と書く。
採取して掘り下ろした同一地点に、もうひとつの円筒を置き、今までの手順を繰り返す。
地層の上の部分と下の部分の二層の土壌資料を採取することになる。2回目に採取した円筒のビニールテープには「調査地名−下」と書く。土壌資料は浸透能ポイント2地点の、いずれか1地点を選んで採取する。
これで、森のダム効果調査が完了である。
ここまでは全員で見守ったので、すでに1時間を経過してしまった。すでに12時を回っている。棚田展望台での昼食集合時間には間に合わない。この地点の調査を続行することにする。昼食はしばしお預け。
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4. 調査地の測定と
林床植生の調査
棚田付近で見かけた野草
センボンヤリ、ヤマラッキョウ
ヤマハッカ、ノコンギク
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●調査地斜面の方位と傾斜角を記録する。
方位は磁石で、南、南西、南東などの8分類で記録計測する。
傾斜角は、調査地上部に立ち、下部に人を立てて下左写真のように傾斜計を覗き、もう一人が角
度を読んで記録する。
●落葉層と腐植層の調査。
調査方形枠内の表土を被う落葉の状態を見ます。50%以上か、以下か、ゼロで記録する。
腐植層とは枝葉が分解した表土の黒っぽい部分であり、スコップで掘り下げ、白っぽい部分が見えたら物差しを下右写真のように垂直に立てて測る。二三個所で確認する。
●林床植生の調査は以下の三つ。
1.草と低木(高さ1.3未満)の地表を被う割合。
2.草の種類数とサンプル採取、撮影。
3.低木の種類数とサンプル採取、撮影。
●樹木(自然林で高さ1.3m以上)の調査。
この調査ポイントには存在しなかったので、説明を省く。方形枠のロープを撤収する。
●人工林の混み具合調査
森のたたずまいを眺めているだけで安らぎを覚えます。森の静寂に、目を閉じて耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてきます。太い幹に耳を押し当てると、生きていることを実感します。森の空気を肌で感じ取って下さい。森にはセラピー効果があります。
1.枯損木と竹の確認
中心木から半径10m範囲内の枯れた人工林があるか。竹はあるか。これは人工林の簡単な荒れ具合指標になる。この調査地にはない。
2.始めに定めた中心木の太さを測る。
下左写真のように、直径巻尺で樹木の胸の高さ位置における直径を測る。
3.平均直径を求める。
中心木の回り、100平方メートルの中にある人工林の太さをすべて測る。実際には釣り竿を利用して半径5.65m以内の人工林にチョークで印を付け、それぞれの直径を記録して平均直径を求める。この値に最も近い人工林を平均値径木とします。
左/直径巻尺。右/半径5.65mの範囲を測り、幹にチョークでチェック。
4.樹高を測る。
中心木の下に立ち、釣り竿を伸ばして高く持ち上げる。これを6mとして、木の高さが何倍あるか目測する。目測する人は、中心木の先端が見える上(20mロープを張る)に行き、釣り竿の先端につけたリボンを目安に測る。みんなの目測値が釣り合う値で決定する。
5.測量完了
調査票に書き込んだデータを読み上げ、ミスがないか確認する。チェックシートで調査道具を撤収、確認して終了。12:50
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5. 坂折棚田(日本100選)
上流調査地点・棚田5
14:20〜15:20
あとがき
昨年は、中部大学応用生物学部・南助教授や上野薫講師とのお付き合いや、東海農政局・丹羽行政調査官のお誘いもあって参加した。山を歩きながら、常々心を痛めていた森の荒廃に光明を見た思いだった。
今年は夕立山森林塾に参加しようと一念発起したが、応募者多数のためにあきらめ、後方支援することに。チェーンソーで伐採する実習を見学したことがきっかけで、NPO立ち上げの社員参加となった。
「森の健康診断」の地味な調査の積み重ねが貴重なデータとなり、大きな潮流を生み、自然環境を守る間伐事業につながることを確信している。日本の大きな自然財産である森の再生に貢献するために、アイデアを集結させたい。
2006.10.31
文責 NPO法人夕立山森林塾・長山伸作 |
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午後はスギの人工林を調査した。時間がないので、作業を分担して進めた。午前と異なって低木があったので、下左写真のようにノギスで太さを測った。あとの作業は重複するので、ここでは割愛する。
16時過ぎに恵那キャンパスに戻った。地元の人たちが炊き出した芋煮と、炭火で焼いた五平餅をいただき、食べながら最後の打ち合わせ。アンケート用紙に書き込んで提出。
その後、閉会式が行われ、17時ごろの解散になった。
多くのボランティア市民、森のダム効果に協力していただいた中部大学の学生さん、地元の皆さんの協力に感謝します。
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