朝日岳から蓮華温泉へ 山と野草のトレッキング

朝日岳から蓮華温泉へ(第3日)
2418m 2007.7.29
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ガスの朝日岳を後に五輪高原を下る。コバイケイソウの谷は幻想的である。



ミネウスユキソウ・ハクサンコザクラ・カライトソウ・イワオウギ・ハクサンイチゲ


シナノキンバイ・シロウマアサツキ・ミヤマムラサキ・シナノキンバイ・イワイチョウ


ニッコウキスゲとワタスゲ・キンコウカ・メタカラコウ・オオサクラソウ・ムシトリスミレ・サワラン

その他、この山域で見かけた花
ゴゼンタチバナツマトリソウオオバタケシマランオオバミゾホオズキイワイチョウアカモノ
タテヤマリンドウベニバナイチゴオオヒョウタンボクツガザクラアオノツガザクラ
シナノキンバイハクサンイチゲミヤマカラマツモミジカラマツミヤマオダマキミツバオウレン
ハクサンフウロクルマユリイブキジャコウソウハクサンチドリミヤマダイコンソウ
ヨツバシオガマタカネナデシコミヤマシオガマミヤマキンポウゲミヤマムラサキ
オオコメツツジイワシモツケサンカヨウキヌガサソウチシマギキョウイワギキョウ
ミズバショウリュウキンカショウジョウバカマオオバギボウシハクサンタイゲキシモツケソウ


山名 朝日岳
標高 2418m
所在地 新潟県糸魚川市
登山日 2007年7月29日
天気 小雨・曇り・時々晴れ
メンバー 3人
コースタイム
04:20 朝日小屋
05:37 朝日岳山頂
08:40 五輪の森
09:30 花園三角点
10:45 白高地沢出合・昼食
12:20 瀬戸川橋
13:20 兵馬の平
14:00 蓮華温泉
コースタイムは鈍行です。

★→ルートマップ
朝日岳山頂の日の出は期待できない。出発時間を遅らせたが、生理的に目覚めは早く、3時に床を離れた。あどけない隣の寝顔を起こすには忍びないが、「炊事場で朝コーヒーを煎れる」と言い残して1階へ。混雑する小屋内で唯一ゆったりできる穴場的存在が自炊部屋。お湯を沸かしながら歯を磨き、タバコに火をつけて一服しながらコーヒーをドリップする。そうこうする内に仲間も下りて来た。最後の1日は、せめて雨のない日を願いたい。

ヘッドライトに浮かぶチングルマのお花畑を見ながら板道を歩く。間もなく朝日岳への急登が始まる。一時間足らずの道程だが、二日間酷使した脚には辛い登りの階段が続く。オオバタケシマランが小さな花を垂れている。雨こそないが雲は低く垂れ込めている。傾斜が緩んでホッとする頃には、周りは明るくなり、だだっ広い山頂エリアに入る。人影はそれほど多くない。展望のない山頂に未練はないので、そのまま五輪高原の道を下りることにする。

登山路の整備は行き届いている。濡れた木道は危険だが、滑らない工夫も凝らしている。ガスが切れて時折陽射しが漏れ、灰色のお花畑に彩りを塗りこめる。目覚めた花たちは瑞々しく、ついつい足が止まる。霧が流れるコバイケイソウの原っぱで朝食タイムにした。

五輪高原はやさしい自然の宝庫。なだらかに延びる尾根筋と、窪地を縫うせせらぎが造る湿原が、豊富な植物の生育環境を保っている。春を呼ぶショウジョウバカマから、高原の雪解けに息吹くミズバショウ、リュウキンカを経て、初夏のニッコウキスゲ、夏雲湧く季節のワタスゲまでが、この五輪高原に一堂に花を咲かせている。まだまだ残雪の多い北の山では、短い春と夏が同居していて、訪れる旅人に、溢れるばかりの自然を見せてくれる。

花園三角点まで下りると、一時、さわやかに晴れ渡った。振り返れば朝日岳がくっきりスカイラインに残雪を輝かせている。また訪ねたい、たおやかな峰々。僕の身体を思い切り痛めつけてくれたが、いとしい山々である。シロウマアサツキが風に揺れる見晴台で休憩を取り、後はひたすら白高地沢まで一気に下った。もうひとつの瀬戸川を渡ると、最後の登り返しが待っている。兵馬ノ平まで、一時間の登りはきついが、旅のエピローグは近い。情けない脚を労わりつつ、ゆっくり歩を進めてオオバギボウシの湿原に至る。ここが兵馬ノ平。清流で汚れた山靴を洗ってから蓮華温泉に向かった。

とことん疲れ切った身体を癒すために、どっぷり温泉に浸かることにした。久し振りにしっかり歩いた。3日間30時間の行動タイムは何年ぶりか。同行した仲間に感謝したい。


第1日・蓮華温泉→白馬岳

第2日・白馬岳→雪倉岳→朝日岳



カメラ片手の山歩き