山伏トンネル手前、今は廃業になっている山中湖高原ホテルの入口に車を停めて、準備もそこそこ凍てついた雪道を登り始める。
山伏峠・大棚ノ頭
ホテル前の祠の横に御正体山の道標を見つけ、歩を進める。空はすでに明るく、雪の林間にライトは不用。ぶつかったT字路の小さな道標も、左方の御正体山の案内だけで右の指示がない。片手落ちではあるが、山伏峠の方角は右なので、踏み跡をたどることにする。梢越しに見える富士山が徐々に明るさを増してくる。カミさんの足を考えるゆとりもなく、歩を速める。熊笹の雪道に足を取られながら祠の横を抜けると尾根筋に出た。久しぶりに慌てている。息も荒くなる。脈拍が耳を打つ。やっとの思いで、展望の利く鉄塔の下にたどり着いた。先客がひとり、三脚を立ててカメラを構えている。挨拶もカタチだけ、眼前に見える赤富士に焦りながらカメラを取り出しバシャバシャ。
5分遅れたら全てが徒労、水の泡。久しぶりに撮れた年頭の朝焼け富士、念願の赤富士。アーリィバードの面目躍如。朝からご満悦。やっとカミさんが追いつき、「キレイ!!」と言いつつのんびりカメラを構え始めた。微妙な色の変化など、まるで問題にしていない。デリカシィを問うまでもない。ゴ・メ・ン。
この後、山伏峠、大棚ノ頭まで足を伸ばしてみたが、よりよい撮影ポイントはなかった。手元のガイドブックには、大棚ノ頭は富士山の好展望地と書かれているが、これは間違っている。雑木の枝越しには見えるが、写真には向かない。記念写真の通り、木々に包まれている。
帰路は鉄塔下から左にある踏み後を辿ってみた。予想通り、ホテル裏側に下りる近道だった。時計はジャスト8時。もうひと山登ることにしよう。
石割山
平野の不動明王社近くに車を停めて、舗装路を歩くより、林間の道を選んで大平山方面に歩き始めた。道は所々別荘地内の舗装路に合流するが、ほどなく雑木の山道になる。突然、携帯電話が鳴る。驚いたことに、だめちゃんである。菰釣山の避難小屋に泊まっていることは分かっていたが、私の富士山撮影行動メールを受信したとのこと。互いの下山時刻を合わせて、山伏峠で落ち合うことにした。
背の高い杉や松の雪道を通り抜けると、小春日和の暖かな一日になる。山歩きにはおあつらえ向き、のどかな気だるいほどの山道は霜柱が立ち、サクサクと心地いい。低木とカヤトの原は日だまりになり、その中にベンチを見つけた。相変わらず、富士山が笑っている。遅がけの朝食を取り、なだらかで明るいカヤトの原を抜けると稜線にぶつかる。左は平尾山、大平山、右に曲がれば石割山である。雲ひとつないこの天気。やっぱり石割山と決め、一路右へ。コブシが冬芽をつけている。気持ちいい雪の尾根筋を下ると、最後の登りになる。ちょっとキツイが10分少々。まばらなカラマツ林の右をひとこぎで石割山頂に着いた。
南真正面に富士山が威風堂々、大らかな裾野を広げ、左に丹沢山塊、右に南アルプスの一大パノラマを形成している。風もない。暖かい。ハッピーの一語。うららかな春に冬を味わう充実感。ひととおり写真を撮り終え、お湯を沸かしていたらカミさんが到着した。小一時間の休憩の後、軽アイゼンをつけて一気に石割神社経由で車まで戻った。
この後、山伏峠に戻り、だめちゃん、坂元さん、つむぎさんを乗せて御殿場へ下り、レストランでおしゃべりタイムの後、駅まで送って別れた。
山仲間は気さくでいい。
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