10時過ぎの八島湿原駐車場は、すでに満杯気味。今回の山旅は友遊クラブ、はいから倶楽部、楽創会のジョイントバスツアーで22名が参加した。金曜夜の天気予報で、日曜は天気が回復するとのこと。予定では土曜に高原散策、日曜にモノ造りとなっていたが、急遽、旅工房の寺西さん、飯田が地元の林さんに電話して変更依頼。そば打ち、水引、酒蔵から昼食の峠の釜飯まで、変更依頼は大変だったのでしょうが、お陰様で、絶好のハイキング日和を迎えることができた。
人気が高い八島湿原は、相変わらずの人出である。レンゲツツジはすでに峠を越えている。所々にニッコウキスゲが咲き始め、春から夏の花への衣替えに入ったようだ。
左からウマノアシガタ、イブキトラノオ、アマドコロ、オオヤマフスマ
息の永いウマノアシガタ、ハコベ科の白く小さなオオヤマフスマが板道沿いに咲き乱れているが、その他には被写体は少ない。アマドコロ、イブキトラノオ、アヤメなどが認められるが、奥霧の小屋まで、珍しい花には巡り会えなかった。
右の花が同定できていない。ミズチドリのようにも思えるが、わずかに紫色に染めている。ここから御射山へ向かう。ひときわ背の高いコバイケイソウが目につく。トップの丸山さんとの携帯が通じにくいので、石田さんが連絡に戻ってきた。撮影モード派と山歩き派との間隔が開きすぎているようである。御射山ヒュッテ手前で、アヤメの群落を見つけ、また道草。キバナノヤマオダマキも咲いているが、美人ではない。夏沢鉱泉の美人が思い起こされる。クリンソウも歳を取りすぎている。ヒュッテで待っていた山歩き派は「遅い」とでも言いたげに、缶ビールを飲んでいる。ここからバスに連絡を取り、ビーナスラインで落ち合うことにしたが、トップが沢渡へ道を誤った様子。分岐の道が多いので、長い隊列の場合は分岐毎の連絡が必要である。
すでに待機していたバスに乗り込むが、若干2名がいない。どんじりの私が着くまでの時間を惜しんで、ちゃっかり山菜を摘んでいる。中年女性は逞しい。見習わなくては。
バスはビーナスラインを戻り、車山肩に着く。満車状態なので、ハイキング組だけ下ろして、美術館巡り組を載せたまま、バスは白樺湖へ去った。
私たちハイキング組は見晴らしの利く場所に陣取って、とりあえずは腹ごしらえ。朝、出発前に旅館に届けてくれた峠の釜飯を食べる。木陰のない炎天にはビールが良い。北西に広がる車山湿原は真っ赤なレンゲツツジに覆われている。なだらかな蝶々深山は、流れる雲の影を落とし、曼陀羅模様が不思議な美しさを呈している。この贅沢な散策路を、車山を巻きながら車山乗越へ向かう。ここのツツジは今が盛り。撮り時とばかり、伊藤夫妻が自慢のカメラでバシャバシャのシャッター音。
ヨツバヒヨドリ、キバナノヤマオダマキ、シロスミレ、ツルカコソウ、ハクサンフウロ、
この他に咲いていた花は、グンナイフウロ、ニガナ、クリンソウ、ヤツガタケタンポポ、カンボク等。
車山乗越から更に車山を巻くように下る。スキー場を左に巻きながら下ると、ニッコウキスゲが多くなる。北西斜面と南東斜面では、花の生態に1〜2週間のズレが認められる。レンゲツツジとニッコウキスゲ。一度に二度、おいしさを味わうためには、山腹を周回するのがお得なようである。咲き始めのハクサンフウロが紫に輝いている。梅雨時には珍しく、穏やかな初夏の一日は早い。車山高原駐車場でソフトクリームをなめていたら、バスが迎えに来た。迷子になる人もなく、怪我をする人もなく、バスの中はこっくり、コックリの頭が揺れている。お疲れさまでした。
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