大和民俗公園駐車場
たぬきさんのお味噌をなめている
矢田寺から松尾山へ
笹の辻手前展望台
滝寺の磨崖仏
東明寺への道
春待ち踊る
東明寺へ
長いしめ縄が谷にかけられている
山名 |
矢田丘陵 |
標高 |
315.4m松尾山 |
所在地 |
奈良県大和郡山 |
登山日 |
2004年1月31日 |
天気 |
晴ときどき曇り |
メンバー |
低山徘徊21名 |
コースタイム |
09:50 |
大和民俗公園駐車場 |
10:10 |
矢田坐久志玉比古神社 |
10:40 |
矢田寺 |
11:45 |
松尾山 |
12:30 |
笹の辻近辺 昼食 |
14:15 |
滝寺 |
15:00 |
東明寺 |
15:40 |
大和民俗公園 |
16:20 |
大和民俗公園駐車場 |
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朝6時40分に自宅を出る。名古屋高速から東名阪経由、関ドライブインへ着いたが、入口のゲートが閉まっている。出口のゲートが開いているので、そこから駐車場に入る。ここであかほりさんと待ち合わせ。彼等は岡崎から湾岸道路トリトン経由で程なく着いた。私の車に乗り替えて、再び名阪道路に入った。交通量は多いが流れはスムースで、西名阪大和郡山ICを下り、途中、コンビニで食料を買い込んで、集合場所の大和民俗公園に着いたのが9時前。早く着きすぎたと思っていたら、笑顔で近づいて来たお二人。お初でお目にかかる丹波からお出ましのたぬきさんご夫妻である。あいさつの言葉も終わらないうちに島田さんの車が入ってきた。
清掃の女性にたずねたら「ちらほら」と言う、梅園を見にひとりで散策路を歩く。確かに一分咲き程度だが、咲き始めのロウバイを見つけてカメラを構える。時間潰しには格好のオブジェか。戻ってきたら、すでに芳村さんが到着した仲間に資料を配付して説明していた。今日のオフを計画してくれた芳村夫妻とガイド役の梅原さんのあいさつの後、参加メンバーの自己紹介があり、いよいよ出発である。
民俗公園を右に見ながらなだらかな丘陵を越えると、今日歩く矢田丘陵の山並みが目の前に広がる。その麓の田園は、10時を過ぎているのに静かに寝静まっているような平和なたたずまいを見せている。暖かな日溜まりを象徴するように、オオイヌノフグリが路端にちらほら顔をのぞかせている。オフのメンバーがそれぞれに語り合う声がのどかに響き渡り、あたりはすっかり春めいてきた。始めに訪れた場所は矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)。矢田郷の総鎮守であり、プロペラが祀ってある通り、飛行機神社の名で全国的に知られている。社務所の女性から一通り由来を聞いたが、一晩明けたらほとんど忘れてしまった。
ここから一路、矢田寺へ集落を縫って歩く。豊かな土地柄を偲ばせる黒、白、土塀と土蔵が並ぶ。「蔵の中には何があるんだろう?」と、あらぬ思いを馳せていると、突然モーッと牛の親子が歓迎してくれる。矢田寺表参道へ出ると、右に熊沢蕃山遺跡の案内板が立っているが、遺跡の名の通り何もなく、枯れススキだけがゆれている。
矢田寺はアジサイの季節に訪れたい。参道や境内にいっぱい植えられているが、今は枯れ枝ばかりである。山門をくぐるとツヅラ折れの石階段が延々と続く。お地蔵さんがいろんな顔でお出迎え。島田さんと貴公子さんの解説が、急な登り疲れを忘れさせてくれる。上がりきると広い境内に立派な堂群。この名刹は高野山真言宗別格本山「金剛山寺」であるが、別称「矢田の地蔵さん」と言われるとおり、今では地蔵菩薩を本尊としている。靴を脱いで本堂に上がる。お金持ちの地蔵さんだから、賽銭は不要かとも思ったが、すでに我が手は反射的にポケットの小銭を捜している。そのひとつを選んでチャリン。小銭であるにもかかわらず、家内安全、商売繁盛、今日の山仲間の平安まで祈念して合掌。
矢田寺本堂前を左に行くと、いよいよ今日のメインイベント「矢田丘陵」の山歩きが始まる。道標の松尾寺に従って進むと、密集した薄暗い竹藪の道が続き、小さな橋を渡ると自然の趣が深まってくる。梅原さんの話の通り、この山域には人工林が少ない。心を和ませてくれる雑木林の道は、山腹をうねることなく一気に稜線をめざしている。ちょっと汗をかく頃に尾根道に合流し、左に折れると程なく国見台展望台に着く。移動性高気圧に包まれているはずだが、なぜか雲が低く垂れ込めて展望がない。ここから松尾山をピストンする。左上写真は松尾山への尾根道。右上写真は矢田峠。
松尾山にはNHKの中継所があるが、休憩場所も展望もない。止まることもなく引き返し、尾根筋を北上して矢田山へ向かう。
左上は生駒山。右右は松尾山。
雑木林の尾根道はゆったりした丘陵の散策路である。都会に隣接しているにも関わらず、豊かな自然とふれあえることは、それなりに関係者や地元住民の、自然への配慮と努力のたまものだろう。
こういう山域は、もっとのんびり歩きたいものだが、なぜか仲間のペースは速い。妻と私は遅れ勝ち。カメラ片手のマイペースだから、ガイド役の芳村夫妻も困っていることだろう。この後、待ちに待った昼食場所へ、やっとたどり着けた。奈良盆地の向こうには悠久のいにしえを物語るように若草山が浮かんでいる。柔らかな日溜まりにそれぞれが陣取り、思い思いの昼食タイム。21人ともなると、さすがににぎやかである。皆さんの差し入れやオスソワケ。栗焼酎に手前味噌風梅酒。デザート。当家の奥様はリンゴをむいてタッパに入れて持参したのに出し忘れ、今、私はこの山行記録を書きながら、てんこもりのリンゴを無理無理、食べさせられている。
昼食時間の経過は速く、トップの記念写真を撮った後、子供の森へ下った。途中で矢田山三角点へ登る。道標はなく落ち葉でルートも分かりづらいが、展望のない灌木帯の笹藪てっぺんに三角点がある。この山に詳しい仲間がいなければ到達できない場所である。何だか得した気分。あたりが開けて明るいフィールドが広がる。子供の森である。真新しいセンターハウスでトイレを済ませ、滝寺の磨崖仏までピストンしてから、明るい雑木林を縫って東明寺に下った。
左は滝寺の磨崖仏。右は東明寺七輪の塔。五輪の塔はこの奥にあるとのこと。
早春の山麓集落を眺めながら、今朝の出発点、大和民俗公園に向かう。田んぼの畦道に春を告げるゲンゲが咲いていた。数輪ではあったが、覗き込んでカメラでご挨拶。もどった民俗公園の芝原で、芳村さん、梅原さんの心のこもったおもてなし。あつあつコーヒーと銘菓で矢田丘陵オフを締めくくった。とっても楽しい一日をありがとうございました。また会える日を楽しみにしています。
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