3日の横山岳オフは雨でお流れだった。4日に電話があり、5日に再挑戦とのこと。連休最終日なので帰路の渋滞を考慮して、名古屋組は早朝に発ち、津島組とはルート上で落ち合うことにした。
早朝5時にUさんを拾い、一宮ICから名神〜北陸自動車道経由で木之本ICで下り、白谷出合駐車場に着いたのが7時前だった。後続隊に分かるよう、入山届けに時刻を明記して出発。
林道と直ぐに別れ、白谷の左岸を歩く。名前は良くないが、ヤブジラミが谷一帯を白く覆っている。(川北さんの調査ではシャクのようである)「花の横山岳」と言われる通り、イチリンソウ、ニリンソウ、ミヤマキケマン、ムラサキケマンなどが道端を埋めている。雨上がりでしっとり濡れ、新緑と共に春色に燃えて美しい。写真を撮っていたらUさんが喚く。彼女の目の方向、沢の対岸を見るとカモシカがのんびり歩いている。あわててレンズを取り替え、撮った写真が下である。
沢の崩壊が進んでいるのか、登山道がときどき迂回ルートになっている。昨日のまとまった雨が沢の水量を増していて、渡渉に手間取る。沢筋を右へ左へ渡渉を繰り返し、徐々に高度を上げていく。この春見慣れた花とは言え、雨に濡れた表情はまた別格。カメラを覗く時間が増えるので、コースタイム通りにははかどらない。谷が徐々に狭くなり、新緑の谷合がV字になると、経ヶ滝が見えてくる。右岸を高巻きするが、濡れた登山道は滑りやすく慎重に歩を進める。この辺りから勾配が急になってくる。ジグザグの道を喘いで登る。振り返れば谷の向こうに琵琶湖がかすかに望まれる。危険な個所にはフィックスロープが整備されている。沢が再び二股になる右沢に、何段もの水しぶきを落とす五銚子ノ滝が現れた。ここで小休止を取る。
ルートは二股の間を登っていく。傾斜は益々きつくなる。アキレス腱がグイッと伸びる。濡れているので滑りやすい。Sさんの情報では、ここから山頂にかけてヤマシャクヤクが咲いているとのこと。今回の山行目的は、ひとえにヤマシャクヤクなのである。ルート上にはないとのことなので、斜面に目を凝らしながらゆっくり歩く。
右側の明るく開けた斜面に白いものを見つけた。ドキドキしながら近づくと、やっぱりお目当てのものだった。大輪である。咲き具合も丁度。前後左右、上からと、ひと通り撮影した後ふたたび急登。右奥の岩壁にも認めたが、岩をよじって近づいてみたら、すでに数枚の花弁を落としていた。ここには4、5輪の花を見つけたが、いずれもウバザクラ。ルートに戻ってしばらく登り、岩塊の上に立ってみる。足元の岩陰に蕾を見つけた。下りて岩を回り込んだが、まだ蕾は固い。その岩をもうひとつ回り込んでみたら深窓の美人が二人。雨に打たれて一層美しく輝いていた。後続に知らせるため、メモを枝に刺して後にした。
ここから山頂までは更に急登が続く。「あと300m」の標識がうらめしい。それでも予想通りの時間に、山頂に立てた。本日の一番乗り。山頂一帯はガスに覆われているが明るい。風もないのでゆっくり昼食を取ることにする。お湯を沸かしていたらUさんが到着。この後二組のパーティが到着。1時間待ってみたが、後続のC−NAさん達は来ない。携帯も通じないので、先に下山することにした。
三高尾根を一気に下る。チゴユリ、ユキザサなどの白い花が多い。ミツバツツジと新緑のコントラストは目に痛いほどだ。激下りが続き、二度尻餅。雨後の下りはフィックスロープを頼った方がいい。鞍部を登り返すと鳥越峠。ここからコエチ谷を下りて林道に出る。
駐車場に戻ったときは丁度午後2時だった。連休最終日なので帰路は高速道に入らず、久瀬、大垣、尾西、一宮経由で名古屋に戻った。
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