台風が近づいているというのに、穏やかな朝である。先週の山歩き以来患っている急性ジンマシンが完治せず、今朝も行きつけのお医者さんで点滴を受けた。先生曰く。「ちょっと長引くかも」。原因が特定できないから困る。一ヶ月半前に、初めて同じ症状が出て、その時は点滴で三日後完治したが、今回はしつこい。すでに一週間近い。おかげで晩酌を絶つ悶々の日々が続いている。三十年ほど前に入院して以来のことである。
二回とも山から帰って一二日で発症することを考えると、原因は山歩きにありそうである。植物か、虫か?。そんなことをブツブツ考えながら土曜の空を眺めている。今朝の電話で、あるぼぼさんは鈴北岳へアケボノソウを撮りにいっているとのこと。もうそんな季節なのである。アケボノソウは私にとっても課題の花。昨年は二ツ森山でたくさん見かけたので、急遽偵察にドライブすることに決めた。
妻を急かせて一路恵那へ。蛭川から福岡町へ入り、昨年の場所を訪ねてみた。車が三台ほど停められる路側帯に停め、山靴に履き代えて付近一帯を歩いてみた。左の写真の通り、蕾が出始めているがまだ一週間早かったようである。せめて一輪だけでもと、小一時間探し求めたが、見つけることはできなかった。その代わりに、山の神は言ったとさ。「季節を早めることはできんで、ホトトギスで我慢せい」。日当たりのない樹林帯の林庄にヤマジノホトトギスが咲いている。去年、八曽山で見かけた群生には劣るが、雰囲気は別物である。二十株ほど目にしたが、とっておきは林の奥の二輪寄り添う艶やかなカップル。ロミオとジュリエットの密会を偲ばせるストーリーがある。
この後、車があまり入らない二ツ森林道を走ってみた。道路は舗装されているが、イタドリが道を塞ぎ、その枝が車を傷つけそうなのでゆっくり走らせてみた。山野草は夏から秋に衣替えしている。黄色のマツヨイグサやキンミズヒキ、白いイタドリは若く密集し、ヤマハハコやヒヨドリバナ、オトコエシも咲いている。ピンクや紫のハギ類も多い。結局ぶらぶら三時間、林道をさまよう内にジンマシン復活。
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