山名 |
国見岳 くにみだけ |
標高 |
1170m |
所在地 |
鈴鹿 |
登山日 |
2005年1月3日 |
天気 |
晴れ |
メンバー |
夫婦 |
コースタイム |
07:25 |
鈴鹿スカイラインゲート |
07:55 |
北谷橋登山口 |
08:10 |
日向小屋 |
08:45 |
藤内小屋/08:55 |
10:30 |
国見峠 |
11:20 |
国見尾根分岐 |
11:55 |
北谷上部昼食/12:40 |
13:50 |
北谷橋登山口 |
14:10 |
スカイラインゲート |
ステップの後を追う妻 |
正月二日のこと。明日も天気は安定している。家族3人の居間で、
「明日は雪の鈴鹿を初歩きしようかな」。
どうぞ、行ってらっしゃい、の言葉が返ってくると思っていたら、
「私も一緒に歩くわ」。
意に反した言葉。年末の積雪は尾根筋に1mの積雪をもたらしている。トレースがあるとは思うが、妻には荷が重すぎるだろう。まあ、行けるとこまで行ってみるか。
鈴鹿スカイラインは閉鎖されている。ゲート前には、すでに三台の先客が駐車している。道路は凍てついているので、アイゼンを装着して歩き始める。30分で北谷橋を越え、トンネル手前の裏道登山道に入る。このあたりは20センチほどの積雪である。よく踏みしめられていて歩きやすい。しばらくは谷の右岸を歩くが、二三の鉄製の橋を渡ると左岸の小高い場所に日向小屋がある。妻のトイレ休憩の間に小屋を覗いてみた。冬の期間は土日だけ営業しているとのこと。
妻を先に歩かせて、のんびり歩く。雪模様にカメラを向けながら、歩いていく。藤内小屋へ着くまでに3組のパーティに追い越された。小屋はにぎやかで子供が外で遊んでいる。家族で泊まっているのだろう。小休止のあと、再びのんびり歩く。妻のペースが遅くなる。「今日は何だか足が重く、息切れする」。妻のペースが更に遅くなる。100mも登らないうちに、息を整えるために立ち止まる。
登りにくいほどの雪ではないが、ステップのインターバルは不規則で時々足元をすくわれる。崩れたときは疲れも倍加する。「無理せず、ゆっくり歩こう」と促して、登っていく。前方の稜線が大きく割れて空がV字型に切れ込んでいる。「峠は近いよ」。とは言ったものの、まだそれから半時間を要して国見峠に立った。左へ行けば御在所岳。右へ行けば国見岳である。踏み跡は少ないがトレースはしっかりしている。これから30分の歩程だから、国見岳へ向かうことにする。
積雪は1mを越えている。時々ズボッと膝上まで埋まる。ヤシオツツジの灌木帯を進む。私が先を歩いてステップを刻み、安全な足場を妻に告げながら歩く。
春ともなればヤシオのトンネルが素晴らしいことだろう。なだらかだが深い雪道を20分も歩くと視界が開け、後方には御在所岳が大きく横たわっている。
突然トレースが消えている。野ウサギの足跡だけが無情に尾根筋を登っている。
さて、どうするか。今日は妻と二人だけ。自分の胸算用では10時には山頂にいるはずだったが、すでに一時間は遅れている。このまま引き下がるのもシャクなので、孤軍のトレースを開始する。久しぶりのラッセルである。振り返れば自分のステップが蛇行している。膝上まで完璧に埋まる。吹き溜まりではヘソまで埋まる。途端に汗が噴き出してくる。息も荒くなる。
後方から話し声が聞こえた。一人の男性が妻と話している。正に神の助け。ラッセルを交代してもらう。再びヤシオツツジの灌木帯に入り、平坦な道をラッセルするが、前にも増して深く埋まる。前方に道標が見えた。国見尾根の分岐点である。国見尾根を経由して藤内小屋へ至るルートもトレースはない。
山頂は梢越しにうかがえる。しかし、まだ200mはある。時間はすでに11時半に近い。助っ人と相談したが、彼も先に行くことをあきらめたようだ。意気地なしと言われそうだが、今回はさすがに疲れた。無理をせず次回を機すことにしよう。
休むこともなく、その場から引き返した。国見峠から北谷へ下り、日溜まりの風がない場所を選んで昼食を食べることにした。
暖かなカップうどんとコーヒータイム。ささやかながらゴージャスな気分。一時間近い昼食の後、一気に下山した。
下写真は朝の鈴鹿スカイラインから。左/鎌ヶ岳。右/御在所岳
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