2005年3月12日
美杉村・三多気 |
朝から風が強く、名張川沿いの杉林は花粉をまき散らせている。昨夜の低気圧通過と共に寒気を呼び込んだ空はどんよりと重い。昨秋訪れた倶留尊山を右に見て、間もなく道の駅に着いた。今日は三峰山か大洞山か。
とりあえずはユキワリイチゲを撮るべく村人に聞き、間違えることなく駐車場にたどり着いた。靴を履き替えていたら、見知らぬ人から声がかかる。あるぼぼさんが情報を得た、もぐらもち新聞の発行人である。しばらくの会話の後、別れを告げて集落の急な坂道を登る。まだ花の時期にはほど遠い寒々とした山里のせせらぎに、フキノトウがひとつふたつ。
ふと、目を上げたら、石垣の上にえんじ色の花。ユキワリイチゲが私たちを見下ろしている。ここからの山道沿いに群楽しているが、まだまだ咲き誇るまでには半月早いように思える。この寒さに震えるように、その清楚な花弁は閉ざし気味に控えめなものが多い。
四人の仲間が花と対面しているうちに雪が降り始めた。カメラを持つ手が痺れてくる。この調子では山を諦めねばなるまい。すでに昼は近い。もぐらもちさんが戻ってきた。ひとしきり花の話題に時を過ごしてから、今日は帰ることにした。帰路にセリバオウレンを撮影し、車中で昼食を食べながら名古屋へ戻った。 |