坊ヶ峰・湖西連峰 デジカメ山野草トレッキング
舟伏山のイワザクラ
ふなぶせやま 1040m 岐阜県


ミズナラやブナの新緑がまぶしい、みのわ平への道

鮮烈な印象・イワザクラ
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不思議な植生である。このルートで数少ない岩場、一個所だけに咲いている。

山頂一帯の花々

ミヤマカタバミ、カタクリ、フデリンドウ、キクザキイチゲ。その他ニリンソウも多い。

スミレの花園

他の山域では珍しいエイザンスミレ、フィリシハイスミレが、ありふれたように咲いている。

タチツボスミレは相変わらず多いが、白色も多く、ニョイスミレ、マキノスミレも確認できた。

ルート上に見つけた花たち

キバナイカリソウ・ヤマルリソウ・チゴユリ・ユキザサ・キバナハタザオ・ハクサンハタザオ

ヒトリシズカ・エンレイソウ・ヒメレンゲ・ホクリクネコノメソウ・キランソウ

シロモジ・アケビ・フタバアオイ・セントウソウ

新緑の光と影

山腹の薄暗いスギの植林帯を抜けると、落葉二次林の美しい新緑の散策が味わえる。

山名 舟伏山 ふなぶせやま
標高 1040m
所在地 岐阜県 大県市
登山日 2005年4月29日
天気 晴れ・花曇り
メンバー 4人
コースタイム
07:45 あいの森入口駐車場
09:20 みのわ平
10:50 舟伏山頂/11:40
13:35 あいの森入口駐車場

花の撮影に時間を取られているので、タイムは参考程度です。

この山頂標識は一昨日に設置されたものである。H17年4月27日と裏面に記されていた。

2週間も前からイワザクラの開花情報を得ていたが、やっとお目にかかる日が来た。初めての対面に心が踊る。日本全国晴れ予想だが、できれば目的の岩場に直射日光の当たらないことを祈っている。サクラ峠手前で追い越す人にたずねてみた。「イワザクラはどこに咲いていますか?」。この舟伏山を庭のように歩いているらしく、「8合目付近の岩場に咲いてます。2週間前に満開でしたから・・」。

6時前に自宅を出て、コンビニに寄ってから高速に入った。東海北陸自動車道に入って直ぐ、追い越し車線をのんびり走行する車。近づくと車線変更したので、追い越し際に横目で見たら、何と美濃ICで待ち合わせるはずのKさん夫婦。妻に合図させて、そのまま登山口まで一気に車を走らせた。県道200号線沿いから直接登るルートもあるが、ショートカットして夏坂谷の林道を遡り、あいの森まで車を入れた。上の駐車場にはトイレもある。

登山道は駐車場右奥にあり、スギの植林帯をジグザグに登っている。歩きやすい道だ。この時期はスミレの散策路とも言えるほどタチツボスミレが乱れ咲いている。この山では当たり前のように、フィリシハイスミレ独特の葉脈の白い葉っぱが目立つ。薄赤紫の可愛い花だ。稜線に出る頃から淡いピンクのエイザンスミレが現れだした。

さくら峠には石仏があり、花が添えられている。ここから尾根筋をたどるが、落葉二次林の雑木林は新緑が爽やかで気持ちのいい山歩きになる。ツクバネウツギにはまだ早いが、ヒトリシズカは小人の白いタケボウキをを立て始めている。私と妻は花を見つけてはフリーズ状態になるので、Kさん夫婦を待たせることになる。キバナイカリソウに時間を取られ、みのわ平で待っていたKさんに追い着いたら、カタクリの観察中。日当たりがいいので、そっくり返った花びらは絵にならない。

ここから山頂にかけてカタクリは多く、笹藪の下には端正な姿も見つけることができる。ニリンソウも盛りを迎える。遅咲きのキクザキイチゲもある。初めて訪れた山だが、こんなにたくさんの花に恵まれて幸せである。明るい平坦な尾根筋を気分良く歩いていると、予想していた通りの山頂が迎えてくれる。山頂広場の日陰に陣取って、思わず時間を忘れそうになる昼食が始まった。

下山路は、西の小舟伏山経由で南下し、周回するようにあいの森に戻った。下山路には別の植生が展開している。チゴユリ、ユキザサ、ヤマエンゴサク、ニシキゴロモ、キランソウ、ムラサキケマン、キケマン、特にキバナイカリソウの群落は見事。


書き忘れていました。最も重要な、この山を訪ねるきっかけの花、イワザクラを。
さくら峠からなだらかな落葉樹林帯を鼻歌まじりに歩いていくと、8合目辺りで突然石灰岩質の岩肌が現れます。ピンクの印象的な色が目に飛び込んでくるはずです。

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