10月22日(日)
08:30 ジョイ伊吹集合・オリエンテーション
09:45 マイクロバスにて伊吹山へ
10:20 山頂駐車場
10:45 旧測候所前除草作業
15:00 山頂駐車場
15:30 ジョイ伊吹解散
山頂駐車場はガスの中
旧測候所前の除草対象お花畑
作業を終えて
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山仲間から伊吹山除草登山の誘いがあった。毎年、四季折々訪ねる伊吹山は、野草の宝庫といわれるほど貴重な植物に恵まれた山域である。この豊かな恵みを守る伊吹山自然観察会の催しと聞いて、参加することにした。
米原市が用意してくれたマイクロバスに乗って、ガスのドライブウエイを山頂駐車場へ。トイレを済ませてから中道を登って、今日の除草区域、旧測候所前に着いたのが11時前。出かける前にジョイ伊吹視聴覚教室でオリエンがあり、事務局長の筒井さんから主旨と除草作業の説明があったが、ここで改めて代表の藤井さんから実際の作業に関する具体的な説明があった。
伊吹山には固有種の貴重な野草が多い。ところが繁殖力の旺盛なヨモギ、アカソ、イタドリなどに侵され、初夏を一面に赤く彩っていたシモツケも、年々少なくなっているという。このお花畑一帯も、ほとんどがヨモギやアカソに占領されている。注意深く観察すると、イブキアザミ・コイブキアザミ・イブキコゴメグサ・メタカラコウ、イブキトリカブト、キバナノレンリソウ等が肩身の狭い姿を見せている。藤井さんから「根から絶たなければダメ」の除草のコツを伝授。ヨモギは抜きやすいが、細い根が切れやすいので、回りを掘り起こしながら焦らずゆっくり抜くようにとのこと。アカソは根が横に太く長く張るので、ツルハシで深く掘り起こして、根をたどって元から絶つ。
作業をしていると、残すべき野草も掘り起こされてしまうことがある。そんなときは埋め戻しながらの作業になる。マイタケ豚汁がみんなに振る舞われ、自己紹介の昼食時間を挟んで、午前・午後、約1時間ずつの除草で作業を終えた。刈り取った戦利品を一個所に集め、除草道具を山小屋に運んで締めの挨拶。守る会の村瀬先生のお話も飛び入りであった。興味深い内容だった。
今日の作業区域は、国の天然記念物また国定公園内のため、認可を得てからの活動である。来年度は組織を再編してNPOを立ち上げるとのこと。下りは整備して歩きやすくなった西遊歩道を下った。
見事に群楽するフジテンニンソウは、地味なゆえに嫌われ者になっている。これの繁殖力が仇となり、勢力分布から除草対象になっている。木本類のノリウツギも同様で、その繁殖力が野草の照度を奪うために切り取られる。山頂一帯は気候風土から木本類は少なく高山植物帯となっているが、前述のノリウツギやオオイタヤメイゲツ、ウリハカエデが進出してきている。温暖化が影響しているのかも知れない。
いずれにしても、人のための伊吹山である限り、人の手を加えなければならない。
自然の成り行きに任せるということは、美しいイメージの「花の伊吹」が消え失せるということ。社会は時代と共に変わるが、自然は変わらないほうがいい。 |