山名 |
礼文岳 |
標高 |
490m |
所在地 |
北海道・礼文島 |
登山日 |
2007年6月14日 |
天気 |
曇りときどき小雨 |
メンバー |
4人 |
コースタイム |
07:55 |
内路登山口
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09:55 |
樹林帯休憩
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10:35 |
礼文岳山頂
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11:00 |
樹林内昼食
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13:00 |
内路登山口 |
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タクシー移動 |
13:30 |
礼文林道入口 |
15:13 |
宇遠内 |
16:10 |
礼文林道入口 |
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礼文島最後の一日は礼文岳登山。結局一日も好天には恵まれず、秀峰利尻富士の絵になる写真は撮れなかった。この時期特有の海霧と西風による気候変化で、晴れる予報も当てにならない極地気象である。
タクシーの送迎を利用して、この島最高峰に登ることと、8時間コースの南側西海岸横断コースの二つを、午前と午後に分けて歩くことにした。まずは内路までタクシーで時間を稼ぎ、登山口まで運んでもらい、歩き始める。笹道は明るくクルマバナ、クルマバソウ、キジムシロ、ハクサンチドリなどに迎えられながら登る。低木の樹林帯に入るとツマトリソウ、マイヅルソウが群生し、更にトドマツの森に変わる。森はシラカバからダケカンバに変わり、山路は飽きることのない変化に富んでいる。下草の熊笹の間にオオバナノエンレイソウが見え隠れする。今日は風もなく暑い。汗がにじんでくる。水分補給と衣類の着替えで休憩を取り、再び歩く。
森林限界を超えると利尻富士が顔を出す。エゾゴゼンタチバナやツルシキミが群生している。ニセの山頂は岩が露出し、ガンコウランやハイマツが支配している。ここで1センチに満たないタチツボスミレを見つけた。草丈が低く濃い紫色はアポイタチツボスミレの特徴に合致している。超塩基性岩質を好むのも、このスミレの特徴である。心型の葉も濃い緑色だ。ここから山頂は近い。低木の中にヒメイチゲらしき花を見つけたが、葉は三出複葉だが線状で鋸状ではない。イチリンソウ属とは思うが、何だろう?
山頂は2パーティが占拠している。全員で16名。群がる虫をみんなで分かち合う構図になっている。早速虫除けティッシュで露出部分を拭く。それにしてもすごい数である。多数パーティが下山するので残されては集中攻撃を受けること間違いない。僕たちも一目散で退去すことにした。展望昼食をあきらめ、樹林帯に入ってから休憩を取った。登山口まで下りてからタクシーを呼び、次のポイントまで移動した。内路のトイレは素晴らしい。新設備で清潔。
宇遠内ルートは小雨の行軍になった。峠までの登りと下りでは植生が極端に変わり、この島の分水嶺を境とした東西の特徴がよく分かる。このルートは半月ずらしたほうがおもしろそうである。礼文島で高山植物を愛でるなら、西海岸につながる西斜面を歩くこと。分布密度も極端に高く、山野草を愛する人を裏切らない。この島がいつまでも美しい植物で溢れていることを願いたい。旅人の一人ひとりが、いつくしむ心を持ちたいものである。
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