1960年8月
初めて日本アルプスを見る。
山好きの先生の発案で、上高地へ行くことになった。私がこの後、山男になるきっかけである。
釜トンネルを抜けると、眼前に広がる大正池と穂高連峰。まさしく別世界だった。日本にも、こんなに美しい風景があったのだと。昔の人は徳本峠を越えなければ上高地は見られなかった。さぞかし桃源郷の気分に浸ったことだろう。現在では1〜2本しか存在しない大正池の朽ちたカラマツだが、当時は湖面に乱立して、それは見事な景観だった。
河童橋から梓川沿いに横尾まで入って、それぞれのテントを張り、飯盒炊さん、キャンプファイア。翌日は槍ヶ岳と北アルプスを雲上から眺めるために蝶ヶ岳に登った。右の写真がその時のものである。今の高校生と比較すると純真だよね。一人だけ、学帽で登山している変わり者もいるが。
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