明神山 愛知 写真をクリックして下さい。拡大表示と説明。
上左は明神山頂パノラマ北東方面
上右は馬の背岩・東側谷筋
中左は明神山東稜
中中央は馬の背岩東斜面
中右は三ツ瀬口登山路
下左は明神山頂
下右は三ツ瀬口登山路・尾根出合。ミヤマシキミ

愛知県で最もアルペン的な山容。
明神山 1016m
2001年11月3日(土)。天気は曇り後雨。
よりによって、こんな日に行かなくてもと言われそうですが、決行しました。カンタンに考えていましたが、甘く見過ぎていたようです。確かに登りごたえのある、愛知では一級の価値ある山容でした。
 山仲間の噂になっていた山域を初めて訪ねてみました。熟年夫婦2カップル、2台の車で豊川インターを北上し鳳来寺山の北にある乳岩峡に車一台を置き、相乗りして、もう一台で151号線を東栄町へ。本郷方面へ向かうトンネルの手前が三ツ瀬口で、ここから左に折れて細い道を進む。この林道の先にも民家が点在し、その奥まったところに登山口があった。車が5〜6台停められる駐車スペースがあり、一番手前に駐車する。身支度を整えて歩き始めたのが7時過ぎ。薄暗い杉の木立の間を、緩やかに登山道が延びている。息が切れるほどの急登でもなく、美林のたたずまいを眺めながら銀明水を通り過ぎ、小一時間で尾根筋に出られた。この尾根出合で、南天でもなく、万両でもない真っ赤な実を付けた植物を見つけたが、誰もその名前を知る人がいなかった。左の写真がそれです。ここで軽く朝食をとり、ふたたび尾根筋を歩き始める。初めて左に視界が開け、山肌に露出する岸壁と紅葉が美しく眺められる。乳岩峡分岐にたどり着く前に、ポツン、ポツンと雨が落ち始めた。分岐点で、同行のKさんが不安げに「登頂はあきらめようか」と言い出したが、説得して明神山へ向かう。ここであきらめたら、二度と来られないと思ったから・・・
 下り道を登り返し、岩場を登ったり、鎖場を渡ったりと、変化ある山道を堪能し、鉄梯子を登ると、そこが馬の背岩。削げ落ちた稜線の両側は足下から天空まで、360度の視界がパッと広がっている。ここから山頂までは随所で楽しませてくれる。真っ赤なドウダンツツジに感嘆し、黄、橙、赤の織りなす谷間の紅葉に感激。霧雨煙る山並み模様も、時雨時にしか見られない光景である。熟年のんびり登山隊はコースタイムをはるかにオーバーして、山頂に着いた。展望台下で雨宿りしながら、ポットに用意したホットコーヒーで乾杯し、いなり寿司で腹ごしらえ。小雨模様が、本降りの気配。早々に山頂を後にした。
 再び同一ルートを引き返して乳岩峡分岐までもどり、右に折れて乳岩峡へ下る。滑りやすい下り道で、妻もKさんも何度となくよろけたり滑ったり。ゆっくり歩くことを促して、慎重に下る。6組のパーティとすれ違ったが、この道を登りルートには選びたくないものだ。例えTEIHAIのAさんやSさんが甘い言葉で誘っても、絶対に乗ることはない。そう言えば、豊川のSさんに会えていないが・・。右側の視界が開けて、明神山南西斜面が雲間から望まれる。白い岩峰と針葉樹、紅葉のコントラストが絵になっていて興味深いが、この天気では作品にしずらい。しばらくすると谷間に賑やかな人の声が響き、尾根筋から別れて下ると、20m以上もある大きなオーバーハングの岩の下に出た。若い男女がロッククライミングの訓練をしている。驚いたことに関西弁でやりとりしている。関西のどこの山岳会か分からないが、見上げたものである。ひょっとしてTEIHAIの一派かも知れない。この一帯には理解できない大岩が樹間に転がっている。しかも、ビルを見上げるような高さである。ここが鬼岩である。雨中行軍で寒さも重なり、さすがに膝がジーンと感覚がなくなっているし、足の裏まで痛い。歳は取りたくないものだ。雨が避けられる岩陰に休息の場所を確保してエネルギー源を補給。ますます雨足が早くなる。せかされて出発。左右の足が惰性で機械的に動いている。乳岩への道が右にあるが、この雨と疲労度では行く気も起こらず、一路、乳岩峡駐車場へ。結局、車に戻ったのは14:10、実に7時間を超える久々のロングラン登山になった。全員疲労困憊、車上で「寒い、寒い」の連発。151号線沿いのラーメン屋に飛び込んで、熱燗と熱々のラーメンを食べながら、「紅葉と霧に霞む眺めは素晴らしかった」と言う慰めの言葉で意見の一致。

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2001年11月3日
04:10 自宅出発
05:20 豊川ICにてK夫妻と合流
06:25 乳岩峡駐車場。途中コンビニで買物
07:05 151号線経由三ツ瀬登山口
07:30 銀明水
08:10 尾根出合
09:00 乳岩峡分岐
09:50 馬の背岩
10:15 明神山頂
10:40 休憩後、山頂より帰路につく
11:30 乳岩峡分岐
12:50 鬼岩・小休憩
14:10 乳岩峡駐車場
全歩程コースタイム 7時間5分
実歩行時間 5時間35分
天気 曇りのち雨
メンバー 長山夫婦・K夫婦の4人