山名 |
戸倉山・陣馬形山 |
標高 |
1681m |
所在地 |
長野県駒ヶ根市 |
登山日 |
2002年11月3日 |
天気 |
晴れ、曇り時々雪 |
メンバー |
6名 |
コースタイム |
09:00 |
阿智SA。北さん合流 |
09:20 |
松川ICで下りる |
11:00 |
陣馬形山 |
12:25 |
戸倉山キャンプ場 |
14:15 |
戸倉山西峰/15:35 |
16:40 |
戸倉山キャンプ場 |
ニシキギ
ツルウメモドキ
陣馬形山頂にて
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11月3日としては異常な気圧配置。典型的冬型で中信以北は雪模様。晩秋の高ボッチ、鉢伏山から冠雪のアルプスを展望する予定を変更して、伊那谷の中ア、南ア展望地、陣馬形山、伊那富士を訪れることにした。
右写真/神坂付近から見た、雪雲に煙る恵那の山々。クリックで拡大表示。
さるぼぼさんのドタキャン、北さん夫婦のドタ参で、車二台が阿智のサービスエリアで合流し、松川ICで中央道を下り、小渋ダムへ。紅葉の山々と秋の日射しを水面にキラキラ照り返す小渋湖を右に見ながら進むと、陣馬形山の標識が左に誘導する。静かな山道は狭く、すれ違う車も少ないが、脇見は禁物。とは言っても秋の風情が魅力的で、何度となく車を停めて道草をする。折草峠が近づくと、初雪に見舞われた木々がいかにも寒そうに風に揺れている。峠道を間違えて、半時間ほど訳も分からず歩いてしまったが、登る前のストレッチと考えれば許されよう。峠から左折して未舗装路を進むが、整備されている割には道を横切る水路溝の段差で車の底を打つ。スピードは要注意。キャンプ場まで車で入れるので、200mも歩けば陣馬形山の山頂に立つことができる。山頂一帯はうっすらと雪化粧している。小雪が舞う天気で、残念ながらアルプスの展望はできなかったが、麓の伊那谷は手に取るように見ることができた。
今日のメインイベントは伊那富士、戸倉山である。寒い陣馬形山頂を後に、折草峠を左折北上して、黄金色に輝く美しいカラマツ林のトンネルを抜け、中山集落にたどり着いたときはすでに昼を過ぎていた。あちこちに進入禁止の立て札がある。赤松が多いので、松茸の産地であることは間違いない。松茸ドロの風体と、我々を思い比べると、うろつくことは間違いの元。早々にキャンプ場駐車場へ急いだ。
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初雪の黄葉カラマツ
カラマツの森
晩秋の森
カラマツ黄葉
森の中
カラマツ |
大きくもないキャンプ場には駐車スペースも少なく、10台ほどがやっと停められる程度で、それでも我々のスペースは確保できた。こざっぱりしたキャンプ場の奥に登山路は延びている。紅葉は盛りを過ぎ、カラマツやシラカバの黄葉が森を明るく照らしている。心地よい落ち葉を踏みしめながら登っていく。右手に赤松の黒い森、左手にミズナラやカンバの明るい森を分けて、道は適当な勾配で疲れることもなく進んでいくと、大きな馬止の松が行く手にはだかっている。
往復3時間ほどの軽い行程ではあるが、今日は珍しく午後の出発。雪の荒れ模様の天気を心配するあまり、悪いとは思っても、ついつい妻の足取りを急かせてしまう。時々射し込む陽ざしが紅葉をパッと色づかせ、心を和ませてくれる。晩秋の山はシーズンにない自然の潤いに溢れている。
6合目のベンチで休憩していた仲間に追いつき、タバコの煙をくゆらせながら、立ち休み。麓は霞んでいる。登り一辺倒の森の道が突然開けると、右に戸倉山東峰の稜線が目に飛び込んでくる。ここが金明水である。あずま屋が作られていて、その天上に鍋やヤカンが引っかけられている。
先客が休んでいたが、あと少しなので先を急ぐことにする。右手に見える西峰が肩を並べるようになると、ヒトコギで頂上に出た。山慣れない仲間たちだが、ちゃんとコースタイムで行動できている。大したモンだ。相変わらず視界はない。ちょっと残念ではあるが、天気が持っているだけでも幸せというもの。日本一高い庚申塚の横で記念写真を撮り、遅がけの昼食を避難小屋で取ることにした。
山頂を東に少し下ったところに避難小屋がある。寒い山頂とは天国と地獄の差がある。小屋の内部はきれいに片付けられていて、誰もいない。貸切の昼食タイムには、おにぎりを車に忘れてきたオチがあったが、内田さん持参のおでんと焼きうどん、それぞれが持参したカップうどん二個、非常食、果物、菓子で何とかお腹は収まったようである。熱燗徳利とお猪口の一杯がお腹に滲みたし、デザート付きドリップのグルメコーヒーは贅沢な山頂のひとときだった。思わず時間を費やしたが、ふたたび舞う小雪の中を下山した。麓に着いたときは、すでに谷間に夕闇がせまる頃だった。つるべ落としの秋の夕暮れ。
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