やることがない訳でもないが、早春の野草の状態でも観察しようと、無理矢理カミさんを起こして近郊を歩くことにした。行く先も決めず、ガイドブックをザックに入れて、とりあえずは東へ車を走らせた。できるだけ暖かな里山なら、何かが待ちきれずに春を告げているのではないかと。
矢田川を渡り、緑地公園を右に見ながら志段味辺りまできて、「まずは東谷山でも歩こうか」。
名古屋の最高峰は自然が守られている。自然林の中に整備された木道沿いはゴミひとつない。ルートはロープなどの柵で仕切られ、森の中に立ち入ることを禁止している。うず高く積もった落ち葉、うっそうと繁るシダ類。市内にも自然と親しめる場所はあるものだ。中社が祀られている場所からは東部丘陵が見渡せる。ここから柵のない枝道を北へ、落ち葉を踏みしめながら下り、登り返していたら本道に再び合流し、あっけなく山頂に着いた。
立派な尾張戸神社があり、その左には展望台の櫓が組んである。名古屋港のコンビナートの煙が見える。春日井から高蔵寺の町並み越しに犬山方面の山々も見渡せるが、今日は遠望がきかない。かすかに右手の方に雪に覆われた中央アルプスの山々がうかがえる。残念ながら御岳は見えない。
帰路は途中から西の斜面を下りることにする。落ち葉でスリップしそうな斜面を下っていたら、フルーツパークの東側の道路に出た。ついでにフルーツパークを覗いてみたが、紅梅が三分咲き。
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