山名 |
南木曽岳 |
標高 |
1677m |
所在地 |
岐阜県 |
登山日 |
2004年5月28日 |
天気 |
晴れ |
メンバー |
夫婦 |
コースタイム |
09:40 |
キャンプ場上駐車場 |
10:05 |
下山路分岐 |
11:40 |
ベンチ休憩/11:55 |
12:50 |
南木曽岳山頂/13:50 |
16:15 |
キャンプ場上駐車場 |
撮影がてらの山歩き。タイムは参考にしないで下さい。
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相変わらず早起きの性癖は、
休みとなるとことさら早い。
三時過ぎに目が覚める。
ドリップコーヒーの最初に注ぐ湯煙の香りがいい。
その残り香をパソコンの横に移して日課が始まる。
タバコの煙をくゆらせながらメールチェック。
最後に山仲間の便りを読む。
グーグルにキーワードを打ち込む。
木曽、伊那、野草、ラン、恵那、中津川
さし当たって今日の予定はないが・・・。
今年の春は、どこも遅れているようだ。
木曽あたりなら、
遅い春が一度にたくさん見られるかも。
7時を過ぎてから妻を起こし、
山へ出かけることを告げる。
木曽路から中山道妻籠を通り、林道を南木曽キャンプ場へ。その奥に登山者用の駐車場がある。避難小屋とトイレが完備されている。今日は気ままな二人旅。四時間少々の山歩きを、1日かけてゆっくり味わうつもり。木曽ヒノキ、故郷の森は、目に滲みる若葉の自然林が拡がっている。
山麓の村人が下草を刈っている。
挨拶をして労をねぎらう。
我が行動に後ろめたさを感じつつ、
二言三こと、会話を残して礼を言い、
山道に入った。
ひとまわり小さなヒメシャガのお出迎え。
見渡せばポツリ、ぽつり。
日陰の森に薄紫をちりばめている。
木曽路の春はさすがに遅い。
春一番のスミレたちが、はにかんだ顔。
新緑のトンネルと落ち葉のジュウタン。
大きな朴葉の間から、木漏れ日を浴びてギンリョウソウがヌクッと立つ。
山路に落とすピンクの花びらは、ミツバツツジかアカヤシオか。
ヤマツツジの朱色の蕾が、はじけそうにふくらんでいる。
深い朱の小さな花を鈴なりに梢から垂らすサラサドウダン。
淡いウグイス色にピンクのオチョボ口が愛らしいウスギヨウラク。
いろんなツツジが春の競演に酔いしれている。
いったん中腹は花々が姿を消し、森の山道は険しく急になる。
静まり返った森にひびく小鳥のさえずりが私たちをなぐさめる。
花弁(萼片)を落としたバイカオウレンが、若い実で風車を作っている。
もう終わりだろうと思っていたら「まだまだ」と白い花で威勢を張る。
遅い春に儲けものとシャッターを切る私。
傾斜がきつくなるにつけて息も荒くなる。
その疲れを忘れさせてくれる次の野草がイワカガミ。
里山では終わった花を、ここではもう一度楽しませてくれる。
この山の中腹を彩る花はバイカオウレンとイワカガミ。
バイカオウレンからイワカガミにバトンタッチするように。
大きく横たわる恵那山と、同じぐらいの背丈にいる。
そろそろ頂上も近いだろうと思っていたら・・・
「これはユキザサ、アマドコロ?」
首をかしげる妻の視線を追ったら、タケシマランが咲いている。
そよ風に揺れるミクロの世界。
息を止めて小さくなって、夢中に覗き込むふたり。
頭を寄せ合う私たちに、
「何をしているのですか?」と背後の声。
余計なお世話とも言えず、バツが悪いタイミング。
ここから山頂にかけて、タケシマランがいっぱいでした。 |