八方尾根と親海湿原 デジカメ山野草トレッキング
八方尾根と親海湿原
はっぽうおね・およみしつげん

 
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6月4日am4:35 八方尾根第2ケルン付近の夜明け。
乙妻山と高妻山の間に太陽は昇った。左は妙高山、右は戸隠山と飯綱山。

上記2枚による合成写真(ナチュラリストとしては違反行為、すみません)


親 海 湿 原
朝7時の湿原は、徐々に霧のベールから解き放たれる

ミツガシワが湿原を覆い、朝日が降り注ぐ様は神々しい一瞬のひととき。

ミツガシワ・サワオグルマ・カキツバタ


アルプス感謝祭・八方北尾根
八方尾根観光組合の主催で、チロリアンスタイルのイベント開催

アルペンホルンの低い音色が山々にこだまする

アルペンホルン、ヨーデル、クーグロッケンなど多彩にチロルを奏でる

北尾根〜黒菱に咲く花
チロルの演奏後、北尾根から黒菱までトレッキング

トレッキング客の足元に雪解けのフキノトウ。タテヤマリンドウが山道に咲き競う

タムシバ・ホソバヒメイチゲ・ショウジョウバカマ・カタクリ・バイカオウレン


八方尾根に咲く花
黒菱での感謝祭第2ステージを早めに切り上げ、八方尾根第1ケルンを目指す

黒菱上部湿原に咲き始めたミズバショウ

ユキワリソウ。白色は八方尾根の超塩基性蛇紋岩による色素欠落、アルビノ現象。

キジムシロ・ミヤマタネツケバナ?・ミヤマアズマギク・ハクサンオミナエシ?


和田野の森と咲花の野草

チゴユリの森・キバナイカリソウ

ツルタチツボスミレ・ミヤマナガハシスミレ・ウスバスミレ?

ホウチャクソウ・クルマバソウ・タニウツギ・ウスミズサクラ・?


残雪の後立山連峰

残雪の八方尾根を八方池まで、早朝散策

兎平上空を舞うパラグライダー・北尾根から望む白馬三山・大町から望む針ノ木岳と鹿島槍。
※野草の名前については仮におさえてあります。同定にはまだ時間がかかりますのでご容赦下さい。

右下写真/八方尾根第2ケルン付近から八方池山荘、第1ケルンを見下ろす。

山名 八方尾根・八方池
標高 2060m
所在地 長野県北安曇郡
登山日 2006年6月4日
天気 晴れ
メンバー 3人
コースタイム
03:25 八方池山荘
03:55 第2ケルン下・朝食と日の出撮影/05:00
05:50 第3ケルン・八方池
07:30 八方池山荘
08:30 リフトで兎平へ
09:00 兎平から林道へ
11:30 八方第5駐車場

撮影しながらのタイムです。参考程度に考えて下さい。
6月3日/親海湿原→八方尾根→八方池山荘。
6月4日/上記コースタイム
4月以来狙っていた八方行きが、現実になった。しかも梅雨前ぎりぎりで。週末の天気が安定するのと、地元が開催するアルプス感謝祭に惹かれて、早朝3時半に名古屋を出た。6時半に東京から来るDちゃんと佐野坂スキー場駐車場で待ち合わせである。途中、大町で撮影のため道草したが、ジャストに駐車場に入った。青木湖ではガスが深く垂れ込めていたので、幻想的な湿原を期待していたが・・・。

挨拶もそこそこに準備を終え、親海湿原に向かった。チゴユリ、ホウチャクソウ、オドリコソウなどが目に入ったが、朝の目的は霧に浮かぶミツガシワ群落である。残念ながら霧はほとんど消え失せていた。板道に入ると前方にミツガシワの白い群落が目に飛び込んできた。朝の日射しに照らされている。逆光になる奥まで急いで駆け足駆け足。という結果の写真が上に掲載したものです。日射しと水蒸気が相まって、幾重もの放射線が湿原に降り注がれていました。ほんの一瞬の時間を切り取ることができて満足。

朝から忙しい。本来ならのんびりしたいが、アルプス感謝祭の集合時間が9時。白馬八方第5駐車場に滑り込みセーフ。黒菱林道が閉鎖されているので、観光組合が用意した無料シャトルバスで北尾根に向かう。会場は、スキーシーズンに咲花ゲレンデと黒菱ゲレンデの中間にある北尾根緩斜面のリフト乗り継ぎ場所に設けられている。展望も良く、白馬三山をバックにアルペンホルンが聴ける。到着順に受付すると、ペットボトルのサービス付き。お世話して下さる関係者の挨拶もほどほどに、チロルの調べが高原に流れる。演奏者はチロルの民族衣装を身にまとい、女性は当然、正装のドリンデル。ユングフラオ?。ヨーデルの裏声もなかなかのもの。チロルでは観光用に牛の首にクーグロッケン(カウベル)なる鈴をつけているが、大小の鈴で器用に手を動かして演奏する技は素晴らしく気に入った。アルペンホルンの低い音が山々に木霊し、白く輝く白馬三山と相まって、チロルにタイムスリップした勘違いに陥りそうである。

第2会場になる黒菱まで、地元のグリーンパトロールの皆さんがガイドとなってトレッキングが始まった。ムラサキヤシオやタムシバが新緑に彩りを与えている。雪解けと共にフキがイッパイあちこちに。酒のツマミにはフキミソがいい。ハルリンドウが絨毯のように咲いている。しかし、ガイドさんの説明ではタテヤマリンドウとのこと。根生葉が小さく1センチに満たない大きさが、その証拠とのこと。栂池自然園のものは茎が長く、これとは違うと異論を挟んだが、草地では茎が伸びやすいとのこと。その夜、山小屋の主に見分け方を聞いてみたが、釈然としない。地元でも論議があり、一般的にはこの地域のハルリンドウ系はタテヤマリンドウと呼ぶことにしているとか。村花はカタクリで、この山域にもたくさん咲いているが、今日の日射しと気温で、花弁を反りくり返している。絵にならない。低地では春に先がけて咲くショウジョウバカマが、今、咲いている。

黒菱に着くと、会場では500人鍋が待っていた。裏方さんのご苦労に感謝したい。僕たちは行者ニンニク、山菜天ぷら、おにぎりまでご馳走になった。ますます八方尾根過激ファンになりそうである。スキー、登山、野草観察に訪れる白馬だが、このアルプス感謝祭も年中行事に入れ込もう。咲花山荘の若女将、見てますか?。このホームページ。

僕たちは八方池を目指すので、終わりを待たずお礼を言って会場を後にした。黒菱リフトが休業中なので、黒菱ゲレンデの左を登る。冬の威圧的な壁とコブを思い浮かべながら、急な傾斜を登り詰める。下からはアルペンホルンが聞こえてくる。上部湿原はほぼ雪田状態。グラートリフト乗り場手前の雪解け池に数輪のミズバショウが咲き始めている。ここの春はこれからである。リフトを利用して第1ケルンまで上がり、今晩の宿となる八方池山荘で受付を済ませてから、野草観察散策に出かけた。空にはパラグライダーがゆっくり宙を旋回している。この時期はユキワリソウとタテヤマリンドウがほぼ尾根全域を占領状態である。のんびり第2ケルンまで往復して山荘に戻り、お風呂に浸かって生ビールで喉を潤し、贅沢な夕食へつなげた。

贅沢空間の個室を3人で独占したので、早くから熟睡できた。全館暖房が設備されている。起床予定時間の二時間前に目が覚めた。トイレに行き、食堂でタバコをくゆらせ、本棚の書物に目を通す。窓外は星が降る快晴である。時間潰しも3時が限度。仲間を起こして早めの出発となった。昨日調べた撮影ポイントまで30分。ヘッドライトを頼りに登り、着く頃には回りが明るくなっていた。日の出までの30分を、撮影準備と朝食に充て、雲海の彼方から上がる太陽を待った。日の出も一瞬である。わずか一分足らずに50枚ほどシャッターを切った。雲海への日射しが遅れたので、ちょっと不満。だが、予想通りの雲海と日の出のチャンスを見事に与えてくれた神に感謝。

この後、熱いコーヒーを飲んでから八方池を往復した。ゴンドラが動くのは8時である。それまでの時間、この八方尾根は僕たち3人だけのもの。早起きは三文の得。アーリィバードの世界が広がっている。

早い下山になるため、兎平から麓の駐車場まで歩くことにした。スキーで滑り込んだ場所である。どの道をたどっても、どこへ着くかは分かっているが、計算違いが発生した。ゲレンデのショートカットを企んだが、夏場は牛の放牧のため通行不可。結局、白馬国際へも下りられず、咲花ゲレンデも通れず、くねくねの林道を忠実にたどり、和田野の森を通ってトータル2時間半かけて駐車場に戻った。


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