山名 |
宝剣岳・木曽駒ヶ岳 |
標高 |
2931m, 2956m |
所在地 |
長野県駒ヶ根 |
登山日 |
2006年8月5日 |
天気 |
晴れ |
メンバー |
4人 |
コースタイム |
05:35 |
千畳敷 |
06:15 |
極楽平 |
06:45 |
三ノ沢分岐朝食/07:10 |
07:50 |
宝剣岳山頂/08:10 |
08:30 |
宝剣山荘 |
10:10 |
巻き道経由木曽小屋 |
10:30 |
木曽駒ヶ岳昼食/11:25 |
12:55 |
馬の背分岐 |
13:15 |
濃ヶ池/13:35 |
14:35 |
駒飼池 |
15:20 |
乗越浄土 |
16:05 |
千畳敷 |
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長い梅雨のおかげで、高山植物とのデートがことごとく潰された。梅雨末期の集中豪雨で、中央アルプス駒ヶ岳ロープウエイも林道崩壊、7月24日まで運休。仕事に追われ、結局8月第一週が最後のチャンスと、日帰り強行軍で単独行を考えていた。そのことを仲間のメーリングリストに流したら、参加希望の連絡が入り、結局、車一台4人で出かけることになった。
終電で名古屋駅に着いたNさんを乗せたのが、午前0時20分。そこから高速に乗って駒ヶ根インター経由、萱ノ台駐車場に2時半到着。ここで二時間の仮眠を取り、4時50分に予約しておいた丸正タクシーに乗って白樺平のロープウエイ駅に。ハイシーズンの始発、5時20分のロープウエイで千畳敷に着く。運行始発バスの到着前に出発するので快適。
人気の宝剣岳は鎖場、梯子が多く、稜線渋滞が予想されるので、早めの出発とした。まずは極楽平の中央アルプス稜線を目指して登る。朝日を浴びて、宝剣岳が青空の下に聳え立っている。千畳敷カールには高山植物が多い。キバナノコマノツメ、チングルマ、ミヤマキンポウゲ、コイワカガミ、モミジカラマツ、ミヤマキンバイなどなど。撮影は程々に、今日の目的のひとつ、ヒメウスユキソウの群落地を目指して登る。極楽平の稜線に出ると、雲海の彼方に御岳が浮かぶ。朝露に濡れたチシマギキョウがうなだれている。水を補給してから稜線を北上し、ヒメウスユキソウを撮影しながら三ノ沢分岐で朝食休憩。まだ7時。宝剣山荘に泊まった登山客が話しかけてきた。彼らは空木岳に向かうという。うらやましい。僕の夏山は決まって日帰りである。
ここから宝剣岳山頂までは、スリル満点の岩場が待っている。高所恐怖症の人にはちょっと可哀相だが、中央アルプス人気ナンバーワンルートである。危険個所には鎖や鉄梯子が整備されているので心配はない。ルートを間違えず、三点確保を守れば楽しい登山が味わえる。「花と岩」をテーマに撮影しようと考えていたが、このルートにはミヤマダイコンソウとイワツメクサがほとんどで、気に入る構図がない。メンバーを誘導しつつ、あっけなく宝剣岳に着いた。二組の先客で、小さな山頂はまだ余裕がある。山頂、祠の尖塔上に立つと、さすがに目眩を憶える。歳を取ったものだ。記念写真を撮って、山頂を後にする。木曽側の岩場を10分も下ると、道は緩やかになり緊張感から解放される。
宝剣山荘の回りには、すでにたくさんの登山客が憩っている。僕たちは木曽駒ヶ岳に向かう。中岳ルートはガレた砂礫ルートなので、南側山腹を巻く木曽小屋ルートを歩く。巻き道ルートはふたつあるが、下のルートを取る。ここは隠れたヒメウスユキソウの撮影ポイント。ハイマツ帯の中にルートは造られていて、中岳ルートの混雑をヨソに快適で静かな登山路が待っている。撮影に充分の時間を割きながら、木祖村に下りるルートの分岐に着いた。これを右に登ると木曽小屋がある。小屋の右側にはコマクサが育てられている。すでに時期は遅かったが、まだまだ耐えられそうなクイーンを撮ってから木曽駒山頂に向かった。
山頂の日射しは強烈で、人も多く熱気ムンムン。昼食場所にはふさわしくないが、まずはビールで乾杯。とりとめのない話題で時間つぶし。地平線にわずかの雲を認めるだけで、相変わらずの単調な青空が360度の展望を開いている。富士山だけは確認できないが、乗鞍・槍穂高、浅間、蓼科、八ヶ岳、南アルプスの3千メーター級の山々が連なっている。1時間近くの休憩の後、馬の背経由で濃ヶ池を目指して下ることにした。明日が日曜なので、今日一日はドップリ時間をかけて山を堪能する。
濃ヶ池周辺は残雪もあり、湿潤な土壌と山に囲まれた恵まれた環境下で、すくすくと高山植物が育っている。カラマツソウ、モミジカラマツ、アキノキリンソウ、シナノオトギリ、ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、クロユリ、エゾシオガマ、ヨツバシオガマ、ミヤマリンドウ、ミネズオウ等々、ルート沿いに見つける花は数限りない。ここからは乗越浄土までダラダラの登りになる。さすがに疲れている。すでに8時間近く歩いている。途中、雪渓の雪解け水で顔を洗い、首筋を冷やし、駒飼池で休憩を取り、乗越浄土から一気に千畳敷に下りた。
4時過ぎにロープウエイ下り整理券をもらったが、2時間半待ちとのこと。この時間になれば、観光客も引いた後との思惑が外れた。ビールを飲み、歓談の後ひと眠り。寒気に目が覚めると今度は雨。待つことは辛い。結局、真っ暗の駐車場に戻った時は7時をはるかに回っていた。
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