ニッチャーのニッチ市場創出

中小企業はニッチャーを目指せ
ニッチ市場の発掘と開拓でブルーオーシャンへ今世紀になってグローバル化が進み、一国では経済の見通しが利かなくなってきた。経営資源の質と量で勝る強者は海外に進出してグローバル最適化を図り格差を広げている。方や経営資源の質量で劣る中小企業は価格競争に明け暮れ、消耗戦で体力が磨り減っていく。

21世紀は細胞分裂のように多様化するスピードと変化の時代。内外環境が変化すれば必ず隙間ができる。そこにビジネスチャンスが生まれる。そのニッチ(スキマ)市場を見つけ出せば、価格決定権を握ってオンリーワンの地位を奪取できる。

コトラーの戦略地位
コトラーの4類型競争地位マトリクス
P・コトラーは業界内における企業の戦略的地位をリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの四つのフレームに分け、地位に合わせた戦略を練るように説いている。リーダー、チャレンジャーは左列に配され、大手企業が強者の戦略で戦っている。

フォロワー、ニッチャーは右列に配され、中小企業が弱者の戦略で戦っている。経営資源の量が小さく質も低いフォロワーは9割以上の大多数がひしめき、レッドオーシャンで血みどろの戦いに明け暮れている。フォロワーからチャレンジャーへの登竜門は狭く1%の確率もない。

業界により異なるが、企業数で比率を具体化すると、リーダー:チャレンジャー:フォロワーは1:10:10000社という単位で圧倒的にフォロワーが多い。売上高で計ると、1社当たりリーダー:チャレンジャー:フォロワーは、1兆円:1千億円:1億円になる。
データ取得年が古いので参考データ
業界勢力図

中小企業の悲哀が実感できる。フォロワーは弱者であり、ランチェスターの法則に従えば、決して大手の強者の戦略に巻き込まれず、独自の弱者の戦略で密かに深く知恵を巡らせ、ニッチ市場を掘り当てる。イノベーションで小さくとも価値ある市場を囲い込むのがニッチャーである。

ニッチャーとは、大手に魅力がない、または気づかない小さな市場で、独自の地位を築く企業。小さくても価値があり、模倣されない身の丈市場。経営資源の質は高いが量が小さい中小企業の狙い目であり、社会の変化で現れる隙間を掘り下げてオンリーワンの金を掴む。

ニッチャーの3つの戦略
1. 関所戦略   生産工程では不可欠だが、市場規模が極めて小さい関所の隙間部分
2. 専門技術戦略 特許や特殊技術で囲い込み、高収益を実現する専門的な隙間市場
3. 専門市場戦略 競争相手がいない、ミニマムにセグメントした未開拓市場


マイケルポーターの焦点絞込戦略
焦点絞込戦略は、差別化戦略をより先鋭化させ、専門家やマニア向けなど、非常にセグメントされたミニマムな市場に特化し、その市場ドメインでナンバーワンシェアや収益性で価格決定権を維持できる競争戦略である。

ニッチ市場はあくまで隙間であり小規模市場である。欲張ると大手企業に狙われる。安易な技術やサービスの差別化では瞬時に真似される情報化時代。強みの複合技や特技等でガードを固くしてライフサイクルを長く設定できる戦略を練ることで「金のなる木」になる。

ニッチ戦略はナンバーワンを狙うのではなく、オンリーワンになること。身の丈設定、速効で市場を獲得すれば、ブルーオーシャンが微笑む。ただし、現代はグローバルな変化の時代。ブルーオーシャンは永遠ではないので、油断せず、次なる差別化を図るべきである。

マーケティング戦略の延長線にニッチが現れる
ニッチ戦略

中小企業に最も求めたい戦略マップです。未来収益源を作る努力を怠ると永続の道が突然途切れることになります。現状の多忙に未来を画すことを置き去りにしてはなりません。社長だけの未来創造力に頼らず、組織人材の集合知を高めることです。

未来創造プロジェクトを立ち上げ、組織横断でメンバーを選出し、定期的なマーケティング研修とアイデア募集コンテストで発想センスを磨かせて下さい。表彰企画の中から有望なものをプロジェクトで試行し、次なる新製品、新事業を創出して下さい。

→→→ サイトガイドにもどる




ライン
自発的に社員を動かす経営方針書を作るライン

危機意識を全社員で共有し、中小企業復活のロードマップを成文化しましょう。
世界経済が混乱する最中でも、成果を出し続ける策は唯一、生産性向上戦略です。
経営方針書成文化テンプレートに沿って無理なく作ることができます。丁寧にご指導します。
経営方針書バナー