のんびり山歩き・ 木曽谷と伊那谷を結ぶ権兵衛峠
デジカメ山野草トレッキング
木曽谷と伊那谷を結ぶ
権兵衛峠

晩秋模様 
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苔むす森の木々とマユミ
カメラを忘れる大失態。妻のカメラを借りて撮る。
山名 権兵衛峠
標高 1,660m最高点
所在地 長野県
登山日 2003年11月15日
天気 晴ときどき曇り
メンバー 低徘7名
コースタイム
09:40 権兵衛峠下駐車場
09:55 権兵衛峠
10:30 ジャンボカラマツ
11:15 権兵衛峠/昼食
12:10 権兵衛峠下駐車場
低山徘徊派の蓼科オフへ向かう途中、まだ通ったことがない権兵衛峠を越えることにした。ここは中央アルプスの北端近くにあり、木曽谷の奈良井と伊那谷の伊那を結ぶ、数少ない峠越えルートである。「米の道」とも呼ばれた権兵衛街道は、今でも峻険な谷合を縫い、ドライブといえども気を緩めることはできない。

私たち東海支部は車二台でこの峠に向かった。権兵衛街道は至る所で道路工事が行われている。峠下をくり抜くトンネル工事のためであろう。右手の大きな駐車場を過ぎて程なく、登山道が横切っているので、近くの路側帯に車を停めて準備にかかる。ここから権兵衛峠まで登り、稜線を南下して樹齢250年のジャンボカラマツを周回する軽いトレッキングで、晩秋の山を味わうことにした。
峠までの登山道は、赤い実をつけるマユミを見ながら、三回ほどジグザグの車道を横切り、15分で到着。水場や休憩所が整備されている。ここを右手に曲がるが、登山路と散策路の二股に分かれ、私たちは左手の登山路をたどる。稜線にストレートに刻まれた山道は傾斜がきつく、ササ藪の背丈も高い。その上に背高ノッポのカラマツが天空目がけて競い合っている。その林間から伊那側の展望が開けている。ツルリンドウの赤い楕円の実が目にはいる。急登も長くはなく、徐々に緩やかになるとベンチがあり、右から散策路が合流する。深い自然林の中を歩くようになると、趣がガラッと変わり、苔むした大きな古木が佇立するようになる。コメツガ、ミズナラ、ウラジロモミ、ブナなどの原生林に圧倒される。春先に新芽を採るコシアブラが、太く大きな成木になっているのには驚く。深い稜線の古木群を見ながら、直角に右に折れ、ゆるく下っていくと、フェンスに囲われた巨大なカラマツが現れる。ベンチ横の案内板に、ジャンボカラマツの説明が記されている。
森の巨人たち100選。樹齢250年、幹周4.08m、高さ34m。


ここから来た道を引き返し、途中で乗鞍展望台ルートを左に取って進む。道は山腹を巻くようにだらだらと下っていく。前線の影響で雲が多く、生憎と乗鞍は望めない。原生林帯の散策路は、いったん往路に合流するが、また左に分岐する。木曽側に作られた散策路は、森の観察には興味深いいろんな表情を見させてくれる。道が水平になると権兵衛峠のシラカバ林が見えてくる。右に古い木枠の遺構がある。江戸時代に木曽の水を伊那の山里に運んだ舟水枡と記されている。権兵衛峠の日溜まりで、昼食を取ることにした。

この後、車を回収して伊那側へ向かい、すでにほとんど葉を落とした広大なカラマツ林の山腹を縫って伊那へ下りた。雲は相変わらず多いが、南アルプスの鋸岳から甲斐駒がうかがえた。伊那ICから中央高速に入り、今夜のオフ会場、蓼科アネックスへ向かった。

●翌日の行動、吉田山へ続く


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