深酒のおかげで6時まで熟睡。目を覚ましたら石田さんが窓外を眺めている。「山がよく見える」早速起きて温泉へ。大浴場の窓外には晴天の下に八ヶ岳連峰が漆黒の姿を横たえている。
先客のMartyさんと、7時出発を約してカラスの行水よろしく、湯舟を出る。それぞれの仲間部屋をノックして起こす。コーヒーとパンで簡単に朝食をとり、出かける準備を終えてフロントへ。ウオーミングアップのため、駐車場へ向かう。
全員集合できたのは7時半。今は晴れているが天気は下り坂。昼まで持てば上出来なので、すぐに出発することにした。途中、女神茶屋に水さんの車をデポして、2in1スキー場の横を通り、白樺湖ロイヤルヒルの駐車場に車を停めた。リフトの運転は8時45分とのことなので、歩くグループ、リフトを利用するグループに分かれて尾根筋で合流することになった。すでに日射しはなく、八ヶ岳も蓼科山も雲に隠れている。ゲレンデ左端を尾根筋目がけて登る。最後尾から圧雪車の踏み跡をたどる。南の風が異様に生暖かく感じる。尾根筋直下で笹藪地帯に入ると、さすがにツボ足では膝まで埋まる。水さんの指示でスノーシューを装着後、尾根筋に出るとリフト組も合流してきた。
晴れていれば雪上漫歩が楽しめるが、ガスが出たら大変なので、すぐに出発する。山スキー一人。カンジキ二人。後はスノーシューである。稜線から西を振り返ると、ロイヤルヒルの山上リフト駅が見える。呉春さんのカンジキが外れ、だめちゃんが調整に奮闘。相変わらずドン尻を歩く。
例年になく雪は少ない。トレースがあるので歩行は順調であり、ペースも申し分ない。尾根筋の樹林帯を抜け、小ピークに立つと2in1のリフトが見えてきた。なだらかな尾根筋をたどり、リフト降り場を左に見て、稜線ゲレンデの右端の直登に喘ぎ、登り切ると山頂は間近である。左から巻くように指示したが、つむぎさんたちが戻ってきた。水さんは持ち前の馬力で林間を直登している。私はつむぎさんたちと右から迂回して山頂に立った。
ガスが晴れて、今日たどる稜線の彼方にヒュッテ・アルビレオが見えている。視界が悪ければ、八子ヶ峰からスキー場へ降りることも考えていたが、この視界なら大丈夫と、予定通りの行動を採ることにした。記念写真も程ほどに先を急ぐことにして、ふたたび歩き始める。冬の行動は間を空けないことである。特に視界が悪いときは注意が必要であり、一定の間隔を保ち、メンバーの状況を正しく把握しなければならない。トップの水さんは、ポイント、ポイントで後続が着くのを調整しては、また歩き始める。このルート中、1869mの最高ピークの登りが最後で、あとは下りだけを残すことになる。ヒュッテが眼前に飛び込んでくる。ここまで来ると安心したのか、メンバーの足取りも軽い。それぞれがカメラを出して、それぞれの構図を収めている。昨日はあきらめていた今日の山行。低気圧の通過をまともに受ける日曜予想だったが、太平洋の高気圧が踏ん張っていてくれたため、前線通過が半日遅れてくれた。神様に感謝である。
ヒュッテ・アルビレオで昼食を予定していたが、日射しもなく、風もあるので、早めに下山することにした。バックカントリーのゲレンデとしては、変化があっていいのだが、この時期の雪としてはコンディションが悪かった。あかほりさん、ご苦労様。
カンジキのお二人は、硬い雪の下山にスッテンコロリン。こんな斜面は面倒がらず、カンジキを外してツボ足をオススメします。これまたご苦労様でした。
終わってみればすべてが満足。
昨秋に続いて、また「山行中止」を宣言しなくて済んだこと。ホッとしています。皆さま、お疲れさまでした。以下に、私の好きな八子ヶ峰を紹介しておきます。
2003年3月。八子ヶ峰山頂一帯の雪景色。
2003年12月。女神茶屋〜アルビレオのカラマツ霧氷。
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