レストラン・ホルムスクの看板。
ここでは前菜にイカのサラダが出た。これには感激。
◆ホルムスク
旧真岡で、サハリン州第2の都市。人口は約5.2万人。不凍港で西海岸最大の港湾都市。ロシア大陸と鉄道連絡船で結んでいる。ユジノサハリンスクから峠越え約100Km。
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ユジノサハリンスクを南下して西へ折れ、リュトカ川沿いにチシマザサ峠を越えてホルムスクへ向かう。その途中の支流を二時間弱歩くことになっている。一歩足を踏み入れると、3メートルもありそうなオオイタドリ、アキタブキ、ヨブスマソウのジャングル。ヤブコギさながらの道を迷うことのないよう、間を空けないように歩く。蚊は多いが、ダニはゴメンだ。川に下りている足跡は熊のようである。
先行隊の休憩地点では、熊の糞を見たといっている。樹皮を削り取った熊の爪痕も見ている。ますますもって物騒な状況だが、ワシリさんはいつもの通り、素知らぬ顔。狩りの好きな彼でも、鉄砲無しでは、無鉄砲に向かっては行けないと思うが・・・。
広い林道に出てひと安心と思っていたら、牛の糞を踏んづけていた。5日目ともなると、新種の花に巡り会うことも少なくなる。見慣れた花にはカメラを向けることもなく、雑談を交わしながら歩き、大きく右から迂回して車道に出て、バスに戻った。
ここからバスで峠越えになる。チシマザサ峠でのんびりしたが、戦勝記念碑の相手が我が祖国であることを考えると複雑な気持ちになる。稚内の氷雪の門に記されていた最後のラジオ放送の言葉が思い出された。小振りのハナイカリをカメラに押さえ、バスに戻る。ここからホルムスクに下り、昼食タイム。相変わらずの暑さにビールで喉を潤すが、さてさてここのレストランのビールは冷えているかどうか。
ホルムスクから海岸沿いの道を南下すると、ゴマフアザラシが見えてくる。更に南下して、廃墟となった製紙工場を過ぎて鉄道沿いに走り、カラフトアツモリソウが咲くという場所で停まる。ワシリさんは一人でヤブコギしながら急斜面を登っていく。山本さんが後を追って登り始めたので、私もその後を追う。結局、アツモリソウの葉を見つけることはできなかったが、レブントウヒレンのような花を見つけることができた。
ここからは見るものもなく、ユジノサハリンスクへ別の峠越えで帰った。総じて今日の収穫は少なかった。次回のチャンスがあるときは、今回行けなかったブッセー湖を回ってみたい。
◆日本車が8割を占めるサハリン
日本では「段差あり」の標識が目立つ。サハリンでは、路面を注意して走らないと、車の天上に頭を打ちつける。運が悪いと、蓋のないマンホールに車輪がはまり込む。歩行者は絶対に「上を向いて歩こう」、を実行しないこと。旅行代理店から注意されていたいたこととは言え、現実に蓋のないマンホールは不気味だ。滞在していたホテルの前にもポッカリ。州都の駅前です。
幹線道路は舗装されていますが、逸れればホコリ高き地道が待ち構えています。舗装率が極めて低いので、街中の埃りっぽい状況が理解できます。そんな道を我が物顔に走っている車のほとんどが日本製です。特に四駆が目立ちますが、月給3万円の生活水準で、どうして高級車を乗り回すことができるのか、疑問です。確かに中古車が多いのも事実ですが。
日本では自動車リサイクル法が施行されたため、最終所有者は1〜2万円のリサイクル料を支払う義務があります。これを払わない抜け穴が中古車輸出に拍車をかけています。ある業者の話では、今年は五割増を予想しています。ロシアルートはウラジオストックがメインになっていますが、観光客として北海道に渡り、買った車を稚内からフェリーで持ち帰ることも可能でしょう。
相当数の盗難車が、外国へ運ばれている事実も報道されていますが、アジア圏の道路はサハリン同様インフラ整備は行き届いていません。これらを考えると、修理用中古パーツ市場は膨大な規模であることが想像できます。アジアから中近東、アフリカの広域インターネット販売拠点づくりで、使い捨て文化大国、日本の中古車・廃車リサイクルパーツ市場ビジネスが、大きく花を開かせそうです。
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