経営指針の考え方

経営指針の考え方

◆サイトガイドライン
●理念、方針、戦略、計画などの総称 →→→ 経営指針とは
ライン ●組織のベクトルを定めるために →→→ 経営指針の策定と運用法
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●スピーディに経営指針を成文化 →→→ 1ページの経営指針
ライン ●経営指針を考察する →→→ 経営理念とは 
           →→→ ビジョンとは
           →→→ ドメインの再定義とは
           →→→ 出前研修
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経営は理想論、企業は現実論
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理想論は理念に掲げ、現実論は戦略に画す。
理念は永遠に継続される未来進行形であり、戦略は今を生き抜く現在進行形である。

経営とは─── 最善最適な経営資源を構築し持続成長更新する組織体である
 経営資源とは、人、モノ、金、情報などであり、最善最適のバランスを図ること
 基本は人の知識、技能のレベルアップであり、ヒトが、モノ、カネを創出する

企業とは━━━ 顧客満足を利益に還元する経済主体である

 顧客価値が収益性に連動する仕組みを構築する
 連動しない企業は、経営コストに関する組織の意識と知識が不足している

戦略とは─── 市場(戦場)で、競合(敵)より優位に立つ方策
 基本は、競合に勝る経営資源の独自性と差別化にある
 現代経営環境は成長期を経て、成熟期、衰退期にあることを認識し、変革を善しとする


長山式経営指針体系
経営指針体系

経営指針活動に迷いがあってはいけない。企業である限り、顧客満足による収益性の追及が最大の任務です。理念経営に傾倒して、収益性を忘れ、待遇改善や社会貢献を優先させて失敗する例を多く目にします。経営指針は、企業の持続成長のために整備するものです。

企業の持続成長の条件は、人、モノ、金など経営資源のバランスのとれた成長であり、そのためには、バランススコアカード(BSC)による四つの視点の論理思考が効果的です。私の経営手法は、ビジョン、戦略方針、中期経営計画、目標管理のすべてをBSCで考察します。

1ページの経営指針数十ページの経営計画書より、1ページに集約した経営指針の方が周知徹底できます。全社員の会議ファイルの表紙裏に貼っておくだけで、いつでも目に入る資料になります。事あるごとに見返して確認する「見える化」で、絵に描いた餅にしないことが大切です。

経営指針


経営理念を掲げる
理念とは、理性で文書化する企業の理想像、広く社会に宣言するもの
理念は具体的に表すものではありません。社会が進化しても、環境が激変しても、変わらず輝き続ける普遍的な言葉であってほしい。理念は永遠に受け継がれる言葉が理想。理念の書き替えは経営の軸を変えるようなもの。ブレる経営は意識統一の方位を狂わせ、組織の結束を弛めます。

トップの経営への思い入れを言葉として次世代に引き継がれる言葉を残してほしいものです。理念は関わる全ての人に語り継がれる名文でありたい。暗記しやすく、唱和しやすい構文にしたい。活力ある言葉で綴りたい。避けたい言葉として、流行語は使わないよう心掛けてください。時代の変化で野暮ったくもなれば、死語になるものもあります。

理念構築の三要素

人間性 倫理感 人間尊重、遵法精神、公正、幸福、和、協調、向上心
科学性 価値観 技術革新、コアコンピタンス、創造力、開発力、品質
社会性 使命感 地域社会貢献、企業責任、環境保護、誠実、信頼、正義

理念の三要素とは、社会性(使命感)・科学性(価値観)・人間性(倫理感)です。三要素を包括する文章を簡潔にまとめてください。上の表の右側に掲げた単語を組み合わせて、一行化を心掛けてください。理念に説明が必要であれば、その下に解説文を付け足します。

理念例
人を育て、技術革新に挑戦し、社会に認められる企業を未来の財産とする
解説例
企業の持続成長は人の力量に尽きる。人を育てる環境を整備し、市場が求める一歩先の技術、サービスを追い求め、業界リーダーの地位に立って、社会に認められる企業であり続ける。

私が考えた理念一例
人間尊重、品質至上、遵法精神を三つの柱として企業責任を全うし永続発展する
誠実な経営活動を通して顧客と地域社会から信頼される企業創りに専念する
従業員、家族、顧客、社会のみんなに喜ばれる価値ある会社を目指す
幸せと楽しさを創造する、活発なオンリーワン企業を目指します
新しい価値の創造にチャレンジし人間性豊かな社会づくりに貢献します
心に豊かさが芽生え、暮らしが潤いに包まれる会社と社会づくりに尽くす
品質向上への強い意識と活発な行動が人間力を高め、企業使命を全うする
みんなの向上心と考動力で、みんなの幸せを育て上げる

インターネットから収集した経営理念を参考にして下さい。五十歩百歩が理解できます。ここからピックアップしてリライトするのも合理的な手法です。模倣も戦術のうち。
●建設業
最良の施工は、最大の信用を集め、最高の営業につながる
「信用・信頼」を基本理念とし事業を通じて社会貢献(人・環境・福祉)を使命とする
豊かな人間環境の創造を目指して社会に貢献する
お客様への新たな価値の創造
人と空間・環境の調和をテーマに顧客本位の経営を行う
●製造業
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること
"未来に続く架け橋として" 人の心を尊重し、豊かな価値を創り、社会貢献に努める
英知と創造力により、優れた価値を提供し、人々の健康と豊かな社会の実現に貢献する
誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する
優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する
●サービス業
「品質最優先の経営」「お客様第一の行動」「輝く個人と社会との調和」
社会に価値あるインターネットサービスの創造
健康で豊かな暮らしを願う世界の人々に貢献する
お客様に価値ある商品とサービスを提供することにより食文化の発展に貢献します
地域の繁栄と豊かな暮しづくりに貢献する
●小売業
お客様の豊かな生活作りの為に、世界市場から良いものを安くお届けしよう
お客さまの喜びが私達の喜びです
新たな生活文化の提供と、友愛の精神に基づいた共存共栄を目指す
地域のライフラインとして、価値ある商品・サービスを提供し、豊かな暮らしに貢献します
感心・感動・感謝


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戦略マップ集



ビジョン(ありたい姿)を共有する
ビジョンとは、理念ベクトル上の近未来に設定する具体的な目標、道しるべ
理念は究極の理想像であるため、ベクトルを合わせることはできても具体的な活動の指針にはなりにくいものです。そのために理念ベクトル上の可視できるポイントに道標を置き、具体的中間目標を設定してビジョンとします。理念は定性表現であり、ビジョンは定量表現です。

変化の激しい時代になりました。5年先は見えづらく夢物語になりやすいので、ビジョンの設定年は3年先が妥当と考えます。トップみずから自分の目指す夢、ありたい姿を描いて下さい。それを社員に示し、熱く語り合い、共感を得て、共に前を向き、誠心誠意努力します。

ビジョン
ビジョンはだらだらと書かずバランススコアカード(BSC)の4つの視点で簡潔に表します。
詳細は中期経営計画で立てて下さい。BSCについては経営戦略スキルを参照してください。
一例は下のようになります。社長室、会議室に理念と共に掲示してください。

ビジョン 設定年2017年9月(3年後)
BSC視点 目標
財務 売上高300,000,000円、営業利益1割30,000,000円
営業キャッシュフロー50,000,000円、社員平均年俸500万円
顧客 B2Bリアル市場は中京圏7割210社(年稼働対象)
インターネット市場は国内2割60社、国外1割30社
業務プロセス 設備増強、研究開発、広告販促費は対売上高10%計上
製品開発12件。生産性向上を含む経営コストの2割削減
人材と変革 教育研修制度の充実。一人当たり年間100時間の研修訓練
従業員総数23人。完全週休2日制ワークライフバランス提唱

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ドメインの再定義
ビジョンが夢にならないよう、自社実力を分析します。ドメインは、インターネットで使われるネットワークの識別名で知られていますが、本来は「範囲」や「領域」を意味する英語です。従って事業ドメインは事業の展開領域を指しています。

事業ドメインは、一般的に三つの定義軸でまとめます。
顧客軸 事業の対象となる顧客や市場、営業販促活動範囲、占拠率
機能軸 製商品・サービスの機能、品質、スピードなどの価値、ブランド力、認知度
技術軸 技術・能力・情報ノウハウなどの強み、コアコンピタンス、資格、規制

私の設定法はBSCを使います。上掲の3つの定義軸には、企業にとっと最も重要な財務に関する定義が抜け落ちる危険があります。3つの定義は、顧客軸は顧客の視点、機能軸は業務プロセスの視点、技術軸は人材と変革の視点で捉え、新たに財務の視点を追加します。

前述したBSCビジョンの表の右側に一列追加して、現状ドメインを設けて下さい。そこを埋めることで、現状とビジョンとの差、ギャップが横並びで一目で理解できます。新たにドメインを考察することなく、合理的に現状と再定義(ビジョン)が見晴らせます。

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A四版一枚で見える化した経営指針理念、ビジョン、戦略マップ、経営計画、行動計画(アクションプラン)を一枚に収めました
●1ページの経営指針シートサンプル
↓画像クリック拡大表示
1ページの経営指針

究極のシンプル化です。全社員に理解できる資料作りを心掛けてください。収益性や生産性を向上させる原動力は現場力です。現場が理解納得できない資料は、作っても役に立ちません。上掲の資料は100年企業を育てる研修で紹介しています。



経営指針を深耕するラーニングページライン
民間企業は営利企業、慈善事業にあらずライン

財務音痴を経営陣に置かない。経営活動の結果が財務に業績として表され、財務諸表から経営課題を見つけて対策が練られる。しかし、決算書を読めない資質が経営陣のポストを温める企業では、利益創出の方策がない。経営陣はすべからく財務スキルに通じていることが条件です。

ある会社では決算書の読み方を教えていますが、決算時の数時間で研修をしても直ぐに忘れることは自然の成り行きで無意味です。特に貸借対照表は歴史の累積で難解です。経営陣と財務責任者が理解していれば、責任は経営陣にあり、社員に理解させるムダは省きたいものです。

ある会社で「社員は利益の出し方を知っていますか?」と質問したところ、社長以外は役員も無知でした。(収入-支出=利益)の家計簿と同じ単純計算式を考えていません。これでは支出はダダ漏れのはずです。収入を増やし支出を減らせば利益が増える道理を教えることです。

損益計算書の本業の利益、営業利益を創出する責任は全社員にあります。下図に示す通りです。経理公開していない企業でも、損益計算書の営業利益までは公開し、説明し、どうすれば利益が出るか、社員に考えさせることで意識が高まり、コストの低減に協力してくれます。

財務管理

節税にこだわると自己資本は貯まらない
民間企業の社会的責任のひとつに「納税」があります。営利を目的として経常利益を出し、法人税を収めることは、国の富を豊かにします。人望ある経営者でも、益出し出来ない資質では問題があります。納税できて初めて自己資本比率が高まり、経営は安定します。

「利益が出たけど法人税を払う現金がない」。良く聞く話です。そういう企業は貸借対照表が膨張しています。メタボ体質のスリム化が急務です。現金化できない在庫量と不良在庫、焦げ付いた仕掛をチェックすること。未収金や過大な融資返済も資金繰りを悪くしています。

営業利益率10%の必要性営業利益を確保することで健全な予算化が成り立ちます。営業利益から充当するものには、有利子負債の返済、社員の年俸アップ、設備投資、研究開発費、剰余金による自己資本比率などが考えられます。具体的に予算化が見晴らせます。何より資金繰りが楽になります。

今年の大企業は減収増益傾向です。売上は停滞気味でもチャッカリ利益は上げています。IT化、設備投資、組織の最適化などで合理化、効率化を図り、生産性向上でコスト低減を図り収益性の改善が功を奏しています。大手より小回りが利く中小企業で出来ないことはありません。

営業利益を全社員の責任目標とするなら、配分方法も明確にすることでモチベーションを高めたいものです。経営計画書に連動させて、下のグラフも作成できます。

利益配分
財務は知恵。営業利益率10%を目指して下さい。ゆとり経営の基本条件です。
財務を私物化し公開できない企業は、社長の身の丈以上に決して成長しません。
日本の企業の80%が小規模企業に止まっている原因は、こんなところにあると思います。


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論理思考で経営課題を解決するライン

バランススコアカードは新しい経営理論です。4つの視点で因果関係を保ちながら考える手法は必ず正しい方向に導いてくれます。長山流の桶屋ストーリーでトレーニングして下さい。

バランススコアカード

ストーリーを描くことは頭の体操です。シナリオを作ることは戦略家の素養です。シナリオから戦略マップの描ける資質がマネジメントです。古今東西、孫子の兵法から現代のMBAビジネスに至る、マーケット(地域、市場)でのシェア獲得には戦略的マネジメントは必須です。

KPIとKGIの意味を知る●KPI(Key performance indicator) 重要業績評価指標 ※業務活動の重要指標
●KGI(Key goal indicator) 重要目標達成指標 ※業務活動の結果を表す達成指標
バランススコアカードの四つの視点で捉えれば、KPIの結果がKGIである。

人材の視点はKPI 能力開発のレベルアップ度 何を身に付けたか、何を考えたか
業務の視点はKPI 業務活動の成熟度 何をどれだけ作ったか、顧客と何回交渉したか
顧客の視点はKGI 業務活動の成果 どれだけ受注できたか、何社獲得できたか
財務の視点はKGI 業務活動の成果 どれだけ売上たか、どれだけ利益が出たか


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理念を作る前に三方よしの信義を固めるライン

「売り手よし、買い手よし、世間よし」の近江商人の三方よしの理念はビジネスに精通した考え方です。私流には3つの哲学と3つの満足で、客観的に信義を固めるよう努めています。人生体験が少ない人には難問ですが、議論を深めることで人間尊重の精神が培われていきます。

理念体系

理念づくりに頓挫して、経営指針が策定できない。本末転倒です。法令遵守を掲げていれば、理念は後回しにして、方針や計画を立てるべきです。スピード時代に停滞は許されません。本業を活性化させるやるべきことから指針を定め、ながら主義で理念も並行して考えて下さい。

若い経営者から、よく質問されます。「経営理念は必要ですか」。
あなたは自分の会社をどうしたいのですか。自分だけの自利の会社でいいのですか。社員は何を目的に仕事をするのでしょう。社員と未来を共有したいと思いませんか。理想の会社像は、会社満足、社員満足、社会満足の3つのバランスで成り立つはずです。一緒に勉強しましょう。


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GROWモデルで経営の進化を組み立てるライン

GROWモデル
『経営指針作成の手引き』には戦略論の展開が省略されています。マーケティングの観点からすれば、現代ビジネスは成長期を過ぎて成熟期に入っています。まさに競合がひしめき過酷な競争時代に突入しています。戦略論なしに持続成長発展は極めて難しいと考えます。

上記のGROWモデルも戦略的なフレームワークのひとつです。リスクマネジメントの観点からも、自社実力を把握し、いかに市場で戦うかは、現実論として考えるべきです。理想論、抽象論では何も進まない。現実論、具体論で未来が見えてきます。


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管理者数に比例して企業は大きく育つライン

従業員が多くても、管理者数が少なければ組織の効率は低下する。日本の中小企業に不足している管理者を、どのように確保するか。転職サイトで賑わうキャリア募集だが、コストと成功率を考慮すれば、自前で育て、内部昇格で帰属意識の高い管理者を登用したいものです。

will/skillマトリクス

中小企業における管理者育成はトップの仕事Will/Skillマトリクスの「Zの進化」で、やる気(Will)の自発欲求に点火し、能力(Skill)の向上心を持続させて指導を怠らない教育制度を充実させる。責任と権限を委譲できる「4.委任」人材を育てること。部下の失敗を恐れていては育ちません。失敗は経験です。

リーダーシップPM理論で「組織成長タイプ」人材を見極めて下さい。一般的に中間管理者といわれるリーダーは、仕事と管理のダブルワーカー、つまりプレイングマネジャーです。仕事ができ、人望があり、人育てができる人です。個人主義ではなく、チーム主義優先です。


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イノベーションで創出する新たな収益源ライン

既存の事業は必ず成長期→成熟期→衰退期を迎える。競合の参入、事業の陳腐化は自然の摂理である。差別化やコストリーダーシップで対抗しても、売上が低減し、利益が圧迫されては未来はありません。売上成長性と収益性を高める戦略は、新製商品サービス、新事業の創出です。

中小企業で研究開発部門を持っているのは中堅クラス以上でしょう。金食い虫なので、余程財務にゆとりがないと設置できません。一般的にはアイデア提案制度を設けて公募し、審査承認したものからプロジェクトを立ち上げて、成功への道筋を探り、事業化を決断します。

マーケット俯瞰図

マーケティングは水モノである。ポジティブな前向きイケイケドドンは身を滅ぼす。上図を参考にリスクマネジメントは欠かせない。性善説で創造力を逞しくし、性悪説で成功確率を高める工夫が大切。1勝9敗を覚悟して決断する勇気が夢を開花させます。

これからのビジネスはパートナーとの分担協業でリスクを少なくしたい。資金、設計、製造、広告販売など、得意技を持ち寄って新市場に挑戦する。中小企業に必要な戦略は、大手が侵入しないニッチな小さな市場を囲い込むことと、継続的なリピート成長市場にする工夫です。

製商品のライフサイクルは短命化している。創造しても短命では資金面で息切れする。長寿命のスグレモノとは、リピート率が高く、そこから新たな機能品、付属品、消耗品が派生誕生する拡張型のものでありたい。ベンチャーグループを作ってワクワク未来に挑戦してほしい。

戦略マップ集



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